[IP Configuration Properties] ページでは、特定の IP リソースに関する詳細な設定を確認し、選択された設定項目について変更することができます。

[IP Configuration Properties] ページにアクセスするには、LifeKeeper GUI メニューから [Edit][Resource] の順に選択します。ドロップダウンメニューから [Properties] を選択します。次にプロパティを表示するリソースとサーバを [Resource list][Server list] から選択します。同様に特定の IP リソースインスタンスを右クリックし、コンテキストメニューからプロパティ画面にアクセスすることも可能です。

以下は IP リソースのプロパティ画面の例です。

表示されたプロパティ画面にはタブが 4 つあります。1 番目のタブは [IP Configuration] で, 特定の IP リソースの設定情報が設定されています。残り 3 つのタブは、LifeKeeper のすべてのリソースタイプで共通の項目として使用できます。

[IP Configuration] タブには特定 IP リソースの以下の情報が表示されています。

Virtual IP IP リソースの仮想 IP アドレス
Netmask 仮想 IP アドレスのネットマスク。この値により、サブネット分割が決定される
Subnet 仮想 IP アドレスの論理サブネット、サブネット部分のビット数を含む
Primary interface アクティブな場合、仮想 IP アドレスを設定する必要のあるネットワークインターフェース
Source address setting 仮想 IP アドレスを同一サブネットへの外部通信 IP トラフィックのソースアドレスに使用するかどうかの設定
Ping List オプション用 Ping 先リスト。 IP ヘルスチェック時に、通常のブロードキャスト ping メカニズムの代替として ping を通して、この IP リソース (および同一サブネットの他の IP リソース) の動作をチェックする

上記の図の例では、IP リソース上に Ping List は設定されていません。Ping List が設定されている場合、プロパティ画面は以下の図の例のようになります。

[Modify Ping List] および [Modify Source Address Setting] ボタンを使用して、この設定項目を変更することが可能です。以下のセクションで説明します。

Ping List の変更

IP リソースに関する Ping List 機能の使い方の説明については、IP リソースの監視 をご参照ください。

IP リソースの Ping List を作成または変更するには、 [IP Configuration] プロパティ画面の [Modify Ping List] ボタンをクリックします。以下の例のようにダイアログウィンドウが表示されます。

アドレスを Ping List に追加する場合、以下の 2 つの図に示すように [Add address] ボタンの横のフィールドにアドレスを入力し、 [Add address] をクリックします。 [Add address] ボタンは入力欄にアドレスを入力しない限りグレーアウトされています。

Ping List からアドレスを削除する場合は、削除したいアドレスを選択し、 [Remove selected address(es)] ボタンをクリックします。 [Remove selected address(es)] ボタンも同様に、リスト内でアドレスを 1 つ以上選択しない限りグレーアウトされています。

変更済みリストを保存するため、 [Save List] をクリックします。以下の確認ウィンドウが表示されます。

[Done] をクリックしてウィンドウを終了させ、 [IP Configuration] プロパティ画面に戻ると、Ping List が変更されているのが確認できます。

Ping List の使用に関する重要事項

IPリソースの Ping List 構成はシステムごとに個別の設定となります。すでにIPリソースを拡張済みの場合は、Ping Listの構成はIPリソースが定義されたそれぞれのシステムに個別に設定する必要があります。Ping Listの変更は、IPリソースの状態にかかわらず実行できるため、それぞれのシステムのPing Listを変更するためにIPリソースのスイッチオーバーを実行する必要はありません。

同一論理サブネットに複数の IP リソースが作られている場合、これらのリソースは同じ Ping List を共有する必要があります。これは [IP Configuration] プロパティ画面に反映され、Ping List 変更ダイアログボックスは IP リソースのサブネットごとに設定されます。

IP リソースに Ping List が定義されると、リソースのヘルスチェックはデフォルトのブロードキャスト ping メカニズムの代わりに、Ping List メカニズムを使用します。ブロードキャスト ping メカニズムを再度利用するためには、Ping List に定義した全 IP アドレスを削除する必要があります。

LifeKeeper の動作では、入力された Ping List の IP アドレスについて、フォーマットが正しいかどうか以外の検査は実行しません。そのため、入力した IP アドレスが実際にネットワーク上に存在しており、常に正常に動作しているかについて、LifeKeeper がインストールされているシステムから ping を実行するなどの方法で確認する必要があります。また LifeKeeper がインストールされているシステムの IP アドレスは常に動作していることが予想されますが、これらの IP アドレスを Ping List に選択しないでください。これらのアドレスへの ping 実行は、NIC に関連付けられている実際の IP リソースの状態にかかわりなく、常に成功してしまう可能性があり、正しいチェックとなりません。

上記にて指摘している通り、IP リソースの Ping List を定義すると、LifeKeeper は自動的に Ping List メカニズムをブロードキャスト ping メカニズムの代わりに、対象の IP リソースおよび同一サブネットのアドレス設定をされた他の IP リソースに対して、使用します。この時、ブロードキャスト ping メカニズムを使用不可にするために、IP Recovery Kit のチューニング で解説されている NOBCASTPING 値の設定を行う必要はありません。しかしながら、ネットワーク上にブロードキャスト ping に対して回答可能なシステムが存在しない環境で設定する場合であれば、NOBCASTPING=1 と設定する必要があります。この設定を行わないと、IP リソース作成時にブロードキャスト ping によるチェックが実行されてしまうためです。この段階ではまだ Ping List を作成することができません。IP リソース作成が済み、Ping List を設定後であれば、デフォルトの NOBCASTPING=0 に戻して構いません。

リソース削除時に、Ping List の内容は削除されません。そのため、リソース削除後に以前と同一のサブネットアドレスを持つ IP リソースを作成した場合、以前設定した Ping List の内容が残ってしまうことに注意してください。

ソースアドレス設定の変更

IP リソースのソースアドレス設定は、IP リソース起動時に、その IP リソースに関連付けられたサブネットへの送信トラフィックの送信元アドレスとして仮想 IP アドレスを使用するかどうか決定します。この値のデフォルトは [No] と設定されており、サブネットへの送信トラフィックの送信元アドレスは NIC に設定されたプライマリ IP アドレスが使用されます。仮想 IP アドレスは通常、クライアントの着信接続ポイント、すなわち、仮想 IP アドレスが使用される接続は、着信トラフィックとして開始されますので、この動作は大半のケースにおいて影響ありません(応答パケットでは、この設定に関係なく、着信トラフィックの送信先アドレスが応答パケットの送信元アドレスとして使用されます)。

しかし特定の状況または設定のために、Lifekeeper システムからの接続に仮想 IP アドレスをソースとする必要がある場合もあり得ます。このために、ソースアドレスを変更するには、IP リソースが起動している状態で [Source Address Setting] を [Yes] にします。システムの TCP/IP ルートはこの設定を行うことで変更されます。

仮想 IP アドレスがシステムの実 IP アドレスと異なる論理サブネット上に存在する、例えば実 IP アドレスが 10.0.1.10/24 で仮想 IP アドレスが 10.1.0.10/24 に存在する場合、ソースアドレス設定に影響されず 10.0.1.10/24 への全ての送信トラフィックは実 IP アドレスから、10.1.0.10/24 への全ての送信トラフィックは、仮想 IP アドレスから行われることになります。この設定は AWS には適用されません。

同様に、CIDR/サブネットの範囲外の仮想IPで構成される EC2 ルートテーブル構成では、そのIPアドレスがサブネット内で構成されている唯一のIPアドレスであるため(/32 のホストルート)、送信トラフィックのソースアドレスは、ソースアドレス設定に影響されず全て実 IP アドレスから行われることになります。

IP リソースのソースアドレス設定を変更するには、[IP Configuration] プロパティ画面の [Modify Source Address Setting] ボタンをクリックします。以下の例のようにダイアログウィンドウが表示されます。

設定を変更するにはドロップダウンリストを選択し、 [Yes] または [No] を選択してください。

[Apply] をクリックし、変更を保存します。以下の確認ウィンドウが表示されます。

[Done] をクリックするとウィンドウが閉じ、 [IP Configuration] プロパティ画面に戻ります。ここで、変更した設定を確認できます。

ソースアドレス設定に関する重要事項

IP リソースの [Source Address] 設定は、システムごとに個別の設定となります。 [Source Address] 設定の変更後に IP リソースを他のシステムに拡張する場合、その設定が拡張先の LifeKeeper システムに一緒にコピーされます。しかし、すでに IP リソースが拡張済みの場合は、IP リソースが定義されている各システム上で個別に [Source Address] 設定を変更する必要があります。

特定のサブネット内で、[Source Address] 設定を [Yes] にした場合、単一の IP リソースのみ設定が有効になります。外向けネットワークトラフィックのソースアドレスとして動作する IP アドレスは本来 1 つだけに限定されるためです。同じサブネットに属する複数の IP リソースが存在し、[Source Address] 設定が [Yes] になっている場合、最後に設定したリソースの IP アドレスが有効な送信トラフィックのソースアドレスとなり、その他のソースアドレス設定は無効になります。

[Source Address] 設定は、IP リソースの起動時のローカル TCP/IP 設定のみに影響します。したがってすでにリソースが起動中の場合は、ソースアドレス設定を変更後、リソースを一旦停止し、再起動させて、変更を TCP/IP 設定に反映させる必要があります。

[Source Address] 設定は、IP v4 アドレスにのみ影響があります。IP v6 アドレスには影響ありません。

リストアおよびリカバリの変更

IP リソースに対する [Restore and Recover] の設定は、異なるサブネット間にディザスタリカバリシステムが存在するマルチサイトクラスタ環境では [Disable] にする必要があります。

この設定では既存の IP リソースに対するデフォルトのリストアおよびリカバリの動作を [Enable] もしくは [Disable] で選択することができます。 [Enable] オプションに設定すると、IP アドレスはアクティブになり、通常の監視およびリカバリプロセスが発生します。IP アドレスのリストアの現在のデフォルトの動作は [Enable] になっています。

[Restore and Recover] オプションを [Disable] に設定すると、リソースはネットワークもしくはネットワークアダプタ上で in service の状態になりますが、IP アドレスはアクティブになりません。この設定によりマルチサイトクラスタ (もしくは WAN) 環境での階層をディザスタリカバリシステム上で in service にすることが可能になります。

この設定はリソースを作成し拡張した後に選択することが可能です。

アクティブな IP アドレス (ISP) に対する重要事項: ISP およびアクティブな IP アドレスにおいて動作を [Disable] に設定しても、アクティブな IP アドレスは out of service になりません。

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