クラスタストレージとして NFS ファイルサーバ (Network Attached Storage) を使用する場合、LifeKeeper の設定においていくつかの特別な考慮事項があります。
NAS Recovery Kit の使用
LifeKeeper for Linux で NFS サーバを共有ストレージアレイとして使用する場合、オプションの Network Attached Storage (NAS) Recovery Kit が必要になります。各クラスタノードに NAS Recovery Kit (およびライセンス) をインストールしてください。詳細については、NAS Recovery Kit のドキュメンテーションを参照してください。
エラーメッセージ
Sybase ASE で Network Attached Storage (NAS) を使用する際、システムクラッシュによるフェイルオーバ後、Sybase が再開できないといった事象に遭遇する可能性があります。Sybase エラーログを確認すると、エラーの原因が分かります。
Sybase ASE 15.x
00:00:00000:00000:2011/05/09 16:08:51.66 kernel Adaptive Server Enterprise(Developer Edition)
00:00:00000:00000:2011/05/09 16:08:51.66 kernel basis_dlock: file ‘/s10/sybase-data155/data/master.dat’ already in use by an ASE
00:00:00000:00000:2011/05/09 16:08:51.66 kernel kdconfig: unable to read primary master device
00:00:00000:00000:2011/05/09 16:08:51.66 server kiconfig: read of config block failed
これは、LifeKeeper によって制御されている NFS ファイルシステム上のファイル 「master.dat」 に、Sybase データサーバによって NFS ロックが設定されたことを示しています。システムクラッシュによりロックがクリアされなかったので、LifeKeeper はデータサーバを In Service の状態に戻すことができません。Sybase は何か別のプロセスが master.dat ファイルを使用しているとみなします。
解決方法
この事象を解決するためには、ファイルシステムリソースを作成する前に、NFS のオプション「nolock」を付けて master.dat を格納する予定の NFS ファイルシステムをマウントしてください。デフォルトでは、NFS はファイルのロックを有効にします。「nolock」オプションがリソース作成前に使用されると、LifeKeeper はこのオプションを認識し、ファイルシステムリソースを In Service の状態にするたびにこのオプションを使用します。LifeKeeper は (クラスタノードから) master.dat を含んだファイルシステムへのアクセスを制御するので、通常、ロックは重要ではありません。テスト中に使用される NFS マウントオプションは「rw,sync,tcp,nfsvers=3,noac,nolock」です。
Sybase ASE のバイナリが格納されているファイルシステムなど、Sybase リソース階層によって使用されるその他のファイルシステム上では、「nolock」を使用する必要はありません。
NAS ファイルシステムリソースがすでに「nolock」オプション設定なしに作成されている場合は、以下の手順に従ってマウントオプションを変更してください。
- LifeKeeper GUI を使用して変更する必要があるファイルシステムリソースに対して Out of Service 操作を行ってください。この操作は LifeKeeper GUI でファイルシステムリソース上にポインタを置き、右クリックしてドロップダウンメニューから [Out of Service] を選択することで可能です。この操作は親リソースも同じく Out of Service 状態にします。
- [Out of Service] 操作を実行し、プロセスを完了させてください。
- 一旦ファイルシステムリソースが Out of Service 状態になったら、ポインタをリソース上に置き右クリックし、ドロップダウンメニューから [Change Mount Options] を選択してください。
- ポップアップウィンドウで、オプションの行に「nolock」を追加し、[Set Value] をクリックしてください。クラスタの各ノードで手順 3 および 4 を繰り返す必要があります。
- マウスを右クリックし、[In Service] を選択し、NAS ファイルシステムリソースを In Service の状態に戻してください。
- ファイルシステムリソースのプロパティパネルが、「nolock」が現在のマウントオプションであることを表示します。
このトピックへフィードバック