LifeKeeper 使用時の WebSphere MQ の設定 セクションには、LifeKeeper でキューマネージャを保護するための手順が記載されています。一般的に、LifeKeeper とともに使用する WebSphere MQ キューマネージャを正しく設定するには、次の要件が満たされている必要があります。

  1. カーネルパラメータの設定 :Linux カーネルパラメータ(共有メモリやその他のカーネルリソースなど)の設定方法については、WebSphere MQ ドキュメンテーション を参照してください。
  1. MQUSER および MQGROUPMQGROUP および MQUSERは、クラスタのすべてのサーバー上に存在する必要があります。Websphere MQ ソフトウェアでは、MQGROUP mqm が存在し、それが、プライマリグループメンバーシップがMQGROUP mqmに設定されていると定義されたMQUSER mqmを持っている必要があります。もし、Websphere MQソフトウェアがインストールされるときにmqm userとmqm groupが存在しない場合には、mqm userとmqm groupは自動的に生成されます。 WebSphere MQソフトウェアをインストールする時には、 ほとんどのファイルとディレクトリは、mqm userとmqm groupに対して設定されたユーザーおよびグループの所有権を持ちます。Queue Managerデータとログディレクトリの中のファイルとディレクトリのユーザーおよびグループの所有権は、mqm userとmqm groupに対しても設定されます。さらに、Queue Managerが開始される時には、それがmqm userとして動作します。 そのため、MQUSER ユーザーID (uid) とMQGROUPグループID (gid) は、すべてのクラスターのサーバー上で同一でなくてはなりません。MQ Recovery Kitはリソースを拡張しようとする際に、この点を検証します。もし、この二つのIDが一致しない場合には、リソースの拡張に失敗します。注:もしローカルパスワードやグループファイル以外にNIS、LDAPもしくは他の認証ツールを使用している場合には、Websphere MQとLifeKeeperソフトウェアのインストールの前にMQUSERとMQGROUPを設定しなくてはなりません。また、ホームディレクトリを作成する必要があるかもしれません。もし、今回が以前にリリースされたWebSphere MQ Recovery Kitからのアップグレードである場合、MQUSER PATH環境変数の設定の変更が必要な場合があります。このMQUSER PATH環境変数は、WebSphere MQ ソフトウェアのデフォルトインストールロケーション、 /opt/mqmを含めるために変更する必要があります。もし、この変更が以前のリリースで行われている場合、今回のRecovery Kitのバージョンが正しく動作するために解除する必要があります。
  1. 別のMQユーザーのサポート Websphere MQ ソフトウェアは常にmqm ユーザーとして動作しますが、別のユーザーがプライマリもしくはセカンダリメンバーシップをmqmグループの中に持つことを前提に、全てのMQコマンドを動作させるのに別のユーザー名を指定することが可能です。他のMQ Toolと統合する時には、WebSphere MQの開始に別のユーザー名が必要かもしれません。別のユーザーへの変更については、本文書の“LifeKeeper WebSphere MQ Recovery Kit のデフォルト設定の変更”の MQS_ALT_USER_NAME設定 を参照してください。
  1. コマンドサーバーの手動起動 :LifeKeeper によってコマンドサーバーを起動するには、プライマリサーバー上で、次のコマンドを使用してコマンドサーバーの自動起動を無効にします。この手順を行わない場合、キューマネージャの起動時にコマンドサーバーが自動的に起動されます。

runmqsc QUEUE.MANAGER.NAME

ALTER QMGR SCMDSERV(MANUAL)

  1. 別のMQユーザーのサポート が共有ストレージ上にあること 。キューマネージャディレクトリ QMDIR およびキューマネージャログディレクトリ QMLOGDIR は、LifeKeeper でサポートされた共有ストレージ上にある必要があります。これにより、バックアップサーバー上の WebSphere MQ がデータにアクセスできます。詳細については、サポートされるファイルシステムレイアウト を参照してください。
  1. QMDIR および QMLOGDIR の権限QMDIR および QMLOGDIR ディレクトリは、MQUSERMQGROUP グループに所有されている必要があります。ARK は、ディレクトリの所有者を参照して MQUSER を自動的に決定します。また、シンボリックリンクを検出し、最終ターゲットに到達します。必要な場合、システムコマンド chown を使用して、これらのディレクトリの所有者を変更してください。
  1. キューマネージャの自動起動を無効化 :LifeKeeper で保護するキューマネージャでは自動起動を無効化する必要があります。 systemctl コマンドを使って無効化してください。
  1. サーバー接続チャネルの認証 :WebSphere MQ バージョン 7.1 以降では、チャネルの認証方法が変更されました。デフォルトでは、MQADMIN ユーザー (mqm) は匿名認証 (パスワードなし) を行うことはできないため、リソース階層の作成に失敗します (WebSphere MQ 7.1 以前のリリースで作成されたキューマネージャの認証は引き続き有効)。WebSphere MQ 7.1 以降、MQADMIN ユーザーによる認証を許可するには、チャネルの認証を無効にする方法があります。WebSphere MQ 8.0 では、追加の変更が (現在の設定を取得する「display authinfo(system.default.authinfo.idpwos)」をrunmqsc コマンドで実行して) system.default.authinfo.idpwosのauthinfoに対して必要となります。「reqdamd」のchckclnt 設定は、「optional」に変更する必要があります。MQADMIN ユーザーによる匿名認証の許可に失敗すると、リソースの作成時に「 MQCONNX ended with reason code 2035 」エラーが発生します。チャネルの認証については、WebSphere MQ ドキュメンテーション を参照してください。
  1. MQSeriesSamples、MQSeriesSDK、およびMQSeriesClient パッケージ :LifeKeeper は、WebSphere MQ へのクライアント接続を使用して、リスナーとチャネルイニシエータが完全に機能していることを確認します。これは、リモートのキューマネージャおよびクライアントがキューマネージャに接続するための要件です。そのため、MQSeriesClient パッケージが、WebSphere MQ を実行するすべての LifeKeeper クラスタノード上にインストールされている必要があります。また、MQSeriesSDK および MQSeriesSamples パッケージは、クライアント接続テストと PUT/GET テストを実行するためにインストールされている必要があります。
  1. オプションの C コンパイラ :オプションの PUT/GET テストを実行するためには、C コンパイラがマシン上にインストールされている必要があります。C コンパイラがない場合、インストール中に警告が発生します。
  1. LifeKeeper のテストキュー :WebSphere MQ Recovery Kit は、オプションで PUT/GET テストを実行してキューマネージャの動作を確認します。リカバリキットはすべてのメッセージをこのキューから取得して破棄するため、専用のテストキューが作成されている必要があります。このキューでは、デフォルトのパーシスタンス設定が 「yes」 (DEFPSIST=yes) に設定されている必要があります。キューマネージャを LifeKeeper で保護している場合、「LIFEKEEPER.TESTQUEUE」という名前のテストキューが自動的に作成されます。また、次のコマンドを使用して、キューマネージャを保護する前に手作業でテストキューを作成することもできます。

su – MQUSER
runmqsc QUEUE.MANAGER.NAME

define qlocal(LIFEKEEPER.TESTQUEUE) DEFPSIST(YES) DESCR(‘LifeKeeper test queue’)

注記 : デフォルトの「LIFEKEEPER.TESTQUEUE」以外の名前をテストキューに付けるには、このテストキューの名前を設定する必要があります。詳細については、リソースプロパティ設定の編集 を参照してください。

  1. リスナーオブジェクト用の TCP ポート :リスナーオブジェクトを runmqsc を介して変更して使用中の TCP ポートを反映します。次のコマンドを使用して、デフォルトリスナーの TCP ポートを変更します。

su – MQUSER
runmqsc QUEUE.MANAGER.NAME

alter LISTENER(SYSTEM.DEFAULT.LISTENER.TCP) TRPTYPE(TCP) PORT(1414) IPADDR(192.168.1.100)

注記: リスナーオブジェクトは、デフォルトの MQ リスナー TCP ポート 1414 を使用する場合も変更が必要ですが、特定の IP アドレス (IPADDR) を指定する必要はありません。IPADDR を設定しない場合、リスナーはサーバー上のすべてのインターフェースにバインドされます。IPADDR を設定した場合は、IPADDR で定義されたアドレスを使用して LifeKeeper で仮想 IP リソースを作成することを強く推奨します。そうすることによって、MQ リスナーの起動時に確実に IP アドレスを使用できます。

  1. TCP ポート番号 。各 WebSphere MQ リスナーは、異なるポート (デフォルトで 1414) を使用するか、すべてのインターフェースにバインドされたリスナーがない状態で異なる仮想 IP にバインドする必要があります。これには、クラスタ内の保護されたキューマネージャと保護されていないキューマネージャが含まれます。
  1. mqs.ini で設定されたキューマネージャ :アクティブ / アクティブ設定では、各サーバーは、グローバルキューマネージャー設定ファイル mqs.ini のコピーをそれぞれ保持しています。保護されたキューマネージャをクラスタ内のすべてのサーバー上で実行するには、キューマネージャがクラスタ内のすべてのサーバー上の mqs.ini 設定ファイルに設定されている必要があります。適切な QueueManager: スタンザをプライマリサーバーからコピーして、すべてのバックアップサーバー上の mqs.ini 設定ファイルに追加します。

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