クラスターの設定を引き継いで複製する
ここでは、コミュニケーションパスとリソースが設定されたクラスターをもとに、同じ設定を持つクラスターを複製する手順を記載します。
構成
本ガイドでは LifeKeeper v9.5.0 を使用します。
構成は以下の2ノードのクラスターを想定し、すでに LifeKeeper の設定が完了しているクラスターと、その複製先となる LifeKeeper がインストールされたクラスターを用意してください。なお、複製先の LifeKeeper には、コミュニケーションパス・リソースが設定されていない状態にしてください。
もし複数のクラスターを用意できない場合でも、インポート直前に LifeKeeper の設定を削除することで、動作を確認することができます。
注意点
export コマンドでは、出力できるリソースやコミュニケーションパスに一部制限があります。手順を実行する前に、サポートされた環境であるか以下の項目を確認してください。
制限事項の詳細につきましては、 LKCLI のマニュアル をご参照ください。
- エクスポートするクラスターのコミュニケーションパスのプロトコルが、すべてTCP/IPであることを確認してください。
# lkcli status -q LOCAL TAG ID STATE PRIO PRIMARY target1 ip-10.1.6.100 ip-10.1.6.100 ISP 1 target1 MACHINE NETWORK ADDRESSES/DEVICE STATE PRIO target2 TCP 10.1.6.88/10.1.6.89 ALIVE 1
- エクスポートするクラスターのすべてのリソースが、LKCLI でサポートされている ARK であることを確認してください。なお、リソースの種類やサポートしている ARK であるかは ARK一覧 をご参照ください。
# lkcli resource info --tag ip-10.1.6.100 --- app: comm priority: 1 properties: device: ens192 ipaddr: 10.1.6.100 netmask: 255.255.255.0 pinglist: '' realip: 0 restoremode: Disabled srcaddr: 0 switchback: INTELLIGENT tag: ip-10.1.6.100 typ: ip
手順
target1 でコマンドを実行してください。
- LifeKeeper の設定が完了しているクラスターで、現在の設定をファイルに保存します。
[target1]# lkcli export > src_settings.yml
- エクスポートされたファイルを複製先のクラスターにコピーします。
target3 でコマンドを実行してください。
- エクスポートされたファイルの IP アドレスとホスト名を複製先の環境にあわせて書き換えてください。
[target3]# sed -e "s/10\.1\.6\.88/10\.1\.6\.90/" -e "s/target1/target3/" -e "s/10\.1\.6\.89/10\.1\.6\.91/" -e "s/target2/target4/" src_settings.yml > dest_settings.yml
- LifeKeeper の複製先のクラスターでコミュニケーションパス・リソースがまだつくられていないことを確認します。なおリソースの確認は、クラスター内のすべてのノードで確認してください。
もしコミュニケーションパス・リソースが存在する場合は lkcli clean --mode all ですべて削除することができます。なお、clean コマンドを実行すると、設定を元に戻すことはできませんのでご注意ください。
[target3]# lkcli status -q LOCAL TAG ID STATE PRIO PRIMARY
target3・target4 でコマンドを実行してください。
- LifeKeeper の複製先でコミュニケーションパスをインポートして、コミュニケーションパスが作成されることを確認します。なおこのコマンドは、クラスター内のすべてのノードで実行してください。
# lkcli import commpath --file dest_settings.yml Performing commpath 'target3:10.1.6.90/10.1.6.91' create... Commpath 'target3:10.1.6.90/10.1.6.91' created successful.
# lkcli status -q LOCAL TAG ID STATE PRIO PRIMARY MACHINE NETWORK ADDRESSES/DEVICE STATE PRIO target4 TCP 10.1.6.90/10.1.6.91 ALIVE 1
※ コミュニケーションパスのステータスは、2つのノード間で双方向に作成されたとき ALIVE となります。
- LifeKeeper の複製先でリソースをインポートして、リソースが作成されることを確認します。なおこのコマンドは、クラスター内で1度だけ実行してください。
# lkcli import resource --file dest_settings.yml BEGIN create of "ip-10.1.6.100" LifeKeeper application=comm on target1. LifeKeeper communications resource type= ip on target1. Creating resource instance with id ip-10.1.6.100 on machine target1 Resource successfully created on target1 BEGIN restore of "ip-10.1.6.100" END successful restore of "ip-10.1.6.100" END successful create of "ip-10.1.6.100". Removing ping list for subnet 172.31.0.0... Performing restoremode change ... restoremode change successful. Building independent resource list Checking existence of extend and canextend scripts Checking extendability for ip-10.1.6.100 Pre Extend checks were successful Extending resource instances for ip-10.1.6.100 Creating dependencies Setting switchback type for hierarchy Creating equivalencies LifeKeeper Admin Lock (ip-10.1.6.100) Released Hierarchy successfully extended Removing ping list for subnet 172.31.0.0...
- コミュニケーションパスとリソースが作成されていることを確認します。
# lkcli status -q LOCAL TAG ID STATE PRIO PRIMARY target3 ip-10.1.6.100 ip-10.1.6.100 ISP 1 target3 MACHINE NETWORK ADDRESSES/DEVICE STATE PRIO target4 TCP 10.1.6.90/10.1.6.91 ALIVE 1
このトピックへフィードバック