LifeKeeper をインストールするために、セットアップスクリプトを使用して以下の作業を行います。
セットアップスクリプトの機能
セットアップスクリプトは以下の2つの使用方法があります。
- 対話型インストール
メニュー画面からLifeKeeperの構成を設定して、インストールまで行います。
このとき構成情報を保存すると、後述の非対話型インストールで使用できます。 - 非対話型インストール
保存した構成情報を用いて、LifeKeeperをインストールします。
ユーザーへの問い合わせは発生しないので、構築ツール(Ansible)などから実行することも可能です。
セットアップの手順
対話型インストール
- root ユーザーでログイン後、次のコマンドを使用して、sps.img ファイルをマウントします。
mount <PATH/IMAGE_NAME> <MOUNT_POINT> -t iso9660 -o loop
ここで、PATH はイメージへのパスです
IMAGE_NAME はイメージの名前です
MOUNT_POINT はマウント位置へのパスです
- sps.img がマウントされたディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
./setup [-s <response_file>]
-s オプションを指定すると、設定した構成情報をresponse_fileに保存できます。このファイルは非対話型インストールで使用します。
- スクリプトを実行すると、まず環境情報の収集を行います。
インストールまたはアップグレードのシステム要件が満たされていない場合は、エラーメッセージが表示され、インストール/アップグレードはキャンセルされます。
また、何らかの問題が発生した場合や設定の変更が必要な場合は、警告メッセージが表示され、インストールを続行するか中止するかをユーザーに決定するように求めます。
- メニュー画面にてインストールするSPSの機能やアプリケーションリカバリーキット(ARK)を選択します。詳しくは「対話画面の操作 」 を参照してください。
- インストールするSPSの機能やアプリケーションリカバリーキット(ARK)を選択し、 <Done> を選択すると、インストールが始まります。
インストール完了後に何らかの通知が出力された場合は、その指示に従い必要な対応を行ってください。
非対話的インストール
- root ユーザーでログイン後、次のコマンドを使用して、sps.img ファイルをマウントします。
mount <PATH/IMAGE_NAME> <MOUNT_POINT> -t iso9660 -o loop
ここで、PATH はイメージへのパスです
IMAGE_NAME はイメージの名前です
MOUNT_POINT はマウント位置へのパスです
- LifeKeeperのインストールを行うシステムへ、構成情報ファイルをコピーした後、次のコマンドを実行します。
./setup -f <response_file> -q y
「-q y」オプションを指定すると、警告に対して了解したと渡します。
構成情報の作成
非対話型インストールで使用する構成情報ファイルは、setup -s <response_file>でセットアップ作業中に作成するか、create_response_fileスクリプトで事前に作成することが出来ます。
- root ユーザーでログイン後、次のコマンドを使用して、sps.img ファイルをマウントします。
mount <PATH/IMAGE_NAME> <MOUNT_POINT> -t iso9660 -o loop
ここで、PATH はイメージへのパスです
IMAGE_NAME はイメージの名前です
MOUNT_POINT はマウント位置へのパスです
- sps.img がマウントされたディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
./create_response_file <response_file>
- メニュー画面にてインストールするSPSの機能やアプリケーションリカバリーキット(ARK)を選択します。詳しくは「対話画面の操作 」 を参照してください。
- インストールするSPSの機能やアプリケーションリカバリーキット(ARK)を選択し、 <Done> を選択すると、構成をresponse_fileへ保存してスクリプトが終了します。response_fileはインストール先のシステムへコピーして使用します。
保存された構成情報を変更する場合は、再度手順2〜4を実行してください。
対話画面の操作
以下のようなメニュー画面が表示されます。
以下のキーで項目選択を行います。
↑ ↓ | 選択項目の移動 |
← → | 最下行ボタンの移動 |
ENTER | 選択したサブメニューを開く |
Y / N / Enter | 選択した項目のオン、オフ、または反転 |
最下行ボタンは以下の動作を行います。
Select | 選択項目の ON / OFF ・子画面へ移動 |
Done | 現画面を終了して親画面に戻ります Main Configuration 画面の場合は、メニュー画面を終了して、インストールの確認画面へ移行します |
Help | 選択項目のヘルプ画面を表示します |
Save | 設定した構成情報をファイルに保存します 保存した構成情報ファイルは非対話モードでのインストールに使用できます (create_response_fileでは無効です) |
Load | 保存済み構成情報ファイルの読み込み (create_response_fileでは無効です) |
メニューボタン <Save> および <Load> をクリックすると、現在の設定を保存するとき、または保存した設定を読み込むときに使用する設定ファイル名を尋ねるダイアログ画面が表示されます。デフォルトのファイル名を変更したい場合は、[TAB] キーを使用してファイル名フィールドに移動し、新しいファイル名を入力してください。 注記: <Save> をクリックした場合、同じ名前でファイルを上書きする前に確認を求められます。
各項目では以下の機能を設定できます。
アップグレード中は、設定可能な項目のみが一覧表示されます。 ホットキー <Z> を使用すると、アップグレード時は変更されない項目が表示されます。
- Install Java Runtime (JRE)
LifeKeeper GUI が使用する Java 実行環境をインストールします。
- Restart NFS service
NFS ARK を使用する場合に選択可能です。NFS サービスの設定変更を即時反映させたい場合に選択します。
注記: NFSサービスを自動的に再起動したくない場合は、NFS Recovery Kit を使用する前に設定変更を反映させるための再起動を行う必要があります。
- Use Quorum / Witness functions
Quorum/Witness を使用します。機能の詳細はテクニカルドキュメンテーションのQuorum/Witness を参照してください。
- LifeKeeper Authentication
SPS for Linux GUI へのログインを許可するユーザーとその権限を指定します。 複数のユーザー名を空白で区切って指定できます。 詳細は、 GUIユーザー設定 を参照してください。
- Install License Key File(s)
LifeKeeper のライセンスファイルを指定します。ファイル名を入力できるダイアログに切り替わるので、ライセンスファイルのフルパス名を入力して下さい。スペース区切りで複数のライセンスファイルを指定することが出来ます。
ライセンスの取得方法についてはライセンスの取得とインストール を参照してください。
- Recovery Kit Selection Menu
インストールするアプリケーションリカバリーキットを選択します。 アプリケーションリカバリーキットは、機能に基づいていくつかのカテゴリーに分類されています。
詳細については、アプリケーションリカバリーキットの分類 を参照してください。
- LifeKeeper Startup After Install
インストールもしくはアップデート完了後に LifeKeeper を起動します。
アプリケーションリカバリーキットの追加と削除
インストール完了後にアプリケーションリカバリーキットを追加するには、setup を実行し、[Recovery Kit] でリカバリーキットを選択し、次にアプリケーションリカバリーキットのカテゴリーを選択して、ご希望のキットを選択します。不要になったアプリケーションリカバリーキットの選択を解除すると、そのキットは削除されます。
ただし、使用中のリソースはキットを削除できないので、事前にリソースを削除してください。
修復インストール
SPS for Linux インストールを修復するには、「--force」オプションを使用してセットアップを実行します。 修復インストールでは、失われたファイルや破損したファイルを置き換えてインストールを更新します。
setup スクリプトのオプション
setup スクリプトは以下のオプションを指定して実行できます。
- -f <response_file>
非対話モードでインストールを行います。<response_file>には、インストール中に使用する設定情報が含まれています。
- -s <response_file>
メニューで選択した内容を含む設定ファイルを保存します。このファイルを「-f」オプションと一緒に使用して、同じ LifeKeeper 構成を別のシステムにインストールすることができます。たとえば、次のコマンドを実行します。
./setup -s <response_file>
必要なパッケージとオプションを選択し、セットアップを完了します。
その後、以下のコマンドを実行し、最初にセットアップを実行したときに選択したのと同じオプションで LifeKeeper のサイレントインストールを(別のシステムで)実行します。
./setup -f <response_file> -q y
- --force
SPS for Linux を強制的に再インストールします。
- -q <y/n>
非対話モードでのインストール中に発生する可能性のある確認への回答を指定します。
リカバリーキットの分類
カテゴリー | 説明 |
---|---|
Application Suite | SAPやIBM MQ などアプリケーションを保護するリカバリーキットが所属します |
Networking | EC2やRoute53など、クラウド内のネットワークサービスを保護するリカバリーキットが所属します |
Database | Oracle、PostgreSQL、MaxDBなどのデータベースアプリケーションを保護するリカバリーキットが所属します |
File Sharing | NFSやSambaなどのファイル共有サービスを保護するリカバリーキットが所属します |
Mail Server | Postfixなどのメールサービスを保護するリカバリーキットが所属します |
Storage | DataKeeper(レプリケーション)、Device Mapper(DM)マルチパス(DMMP)、Network Attached Storage(NAS)など(これらに限らない)のデータ保管方法を保護するリカバリーキットが所属します |
Web Server | Apache などのウェブサービスを保護するリカバリーキットが所属します |
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