SNMP (Simple Network Management Protocol) は、デバイスから独立してネットワークを管理するフレームワークを提供します。ネットワーク上のデバイスは、製造メーカーが提供する MIB (Management Information Base) 変数で定義されます。ネットワーク上の各ノードで稼働する SNMP エージェントは、Network Manager ノードと対話します。Network Manager はエージェントにクエリを発行し、MIB 変数値を取得または設定して、エージェントのノードを監視制御します。エージェントはトラップと呼ばれるメッセージを非同期的に生成して、例外イベントをマネージャに通知します。SNMP を使用してネットワークを監視管理するアプリケーションは多数あります。

LifeKeeper for Windows には、特定のイベントやアラームの送信を希望するアプリケーションを登録するイベント通知機構があります (sendevent マニュアルページを参照)。LifeKeeper for Windows では、主要なLifeKeeper for Windows イベントの SNMP トラップを LifeKeeper for Windows の動作を監視したいサードパーティ製ネットワーク管理コンソールに簡単に送信できます。LifeKeeper for Windows は MIB ファイルを、LifeKeeper for Windows トラップ定義を記述した %LKROOT%\include\LifeKeeper-MIB.txt にインストールします。

SNMP トラップを受信するリモートの管理コンソールは、そのシステムの管理ソフトウェアであらかじめ設定しておきます。LifeKeeper for Windows は外部の SNMP 設定を提供していません。リモート管理サーバは通常、LifeKeeper for Windows クラスタ外にあり、LifeKeeper for Windows のノードではありません。  

LifeKeeper for Windows のイベントの表

LifeKeeper for Windows のイベントとトラップ番号を次表に示します。オブジェクト ID (OID) は、プレフィックスとトラップ番号から成り、次の形式で表示されます。

prefix.0.specific trap number

プレフィックスは、 .1.3.6.1.4.1.7359 です。MIB ツリー内で展開すると、 iso.org.dod.internet.private.enterprises.7359 となります。7359 は SIOS 社の製造メーカー番号であり、LifeKeeper を表す 1 が続きます。例えば、LifeKeeper Startup Complete イベントは、OID .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.100 を生成します。

LifeKeeper for Windows のイベントと説明 トラップ番号 オブジェクト ID

LifeKeeper Startup Complete (LifeKeeper の起動完了)

LifeKeeper を起動したノードが送信

100 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.100

LifeKeeper Shutdown Initiated (LifeKeeper シャットダウンの開始)

シャットダウンを開始したノードが送信

101 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.101

LifeKeeper Shutdown Complete (シャットダウン完了)

LifeKeeper のシャットダウンを完了したノードが送信

102 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.102

LifeKeeper Manual Switchover Initiated on Server (LifeKeeper の手動切り替えをサーバ上で開始)

手動切り替えを要求したノードが送信

110 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.110

LifeKeeper Manual Switchover Complete recovered list (LifeKeeper の手動切り替え完了 - リカバリリスト)

手動切り替えを完了したノードが送信

111 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.111

LifeKeeper Manual Switchover Complete failed list (LifeKeeper の手動切り替え完了 - 失敗リスト)

手動切り替えを完了したノードが送信

112 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.112

LifeKeeper Node Failure Detected (LifeKeeper ノードの失敗検出)

失敗を検出したクラスタノードが送信

120 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.120

LifeKeeper Node Recovery Complete recovered list (LifeKeeper ノードのリカバリ完了 - リカバリリスト)

失敗したノードのリソースをリカバリしたクラスタノードが送信

121 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.121

LifeKeeper Node Recovery Complete - failed list (LifeKeeper ノードのリカバリ完了 - 失敗リスト)

失敗したノードからのリソースのリカバリに失敗したクラスタノードが送信

122 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.122

LifeKeeper Resource Recovery Initiated (LifeKeeper リソースのリカバリ開始)

リソースをリカバリするノードが送信。直後に 131 または 132 トラップが続き、リカバリの完了または失敗を通知

130 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.130

LifeKeeper Resource Recovery Failed (LifeKeeper リソースのリカバリ失敗)

リソースの起動に失敗したノード (トラップ 130) が送信

131* .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.131

LifeKeeper Resource Recovery Complete (LifeKeeper リソースのリカバリ完了)

リソースのリカバリを完了したノード (トラップ 130) が送信

132 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.132

Mirror State Change (ミラー状態の変更)

ミラーのソースであり、ミラーの状態が変更されたノードが送信。ターゲットノードのボリュームレター、ミラーの状態、および IP アドレスを表示

有効なミラーの状態は次のとおり
-1: 無効な状態 
0: ミラーなし 
1: ミラーリング 
2: ミラーは再同期中 
3: ミラーは中断 
4: ミラーは一時停止 
5: 再同期は待ち状態

150 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.150

LifeKeeper replicated volume Split Brain detected (LifeKeeper によって複製されているボリュームのスプリットブレイン検出)

両側でミラーがソースであることが LifeKeeper によって検出されたノードが送信。ターゲットノードのボリュームレターおよび IP アドレスを表示

160 .1.3.6.1.4.1.7359.1.0.160
トラップ PDU の追加情報を通知する変数は次のとおり
トラップメッセージ すべて .1.3.6.1.4.1.7359.1.1
リソースタグ 130 .1.3.6.1.4.1.7359.1.2
リソースタグ 131 .1.3.6.1.4.1.7359.1.2
リソースタグ 132 .1.3.6.1.4.1.7359.1.2
リカバリ済みリソースのリスト 111 .1.3.6.1.4.1.7359.1.3
リカバリ済みリソースのリスト 121 .1.3.6.1.4.1.7359.1.3
失敗したリソースのリスト 112 .1.3.6.1.4.1.7359.1.4
失敗したリソースのリスト 122 .1.3.6.1.4.1.7359.1.4

* リカバリが複数のバックアップサーバ上で失敗した場合、このトラップは連続して表示されることがあります。

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