内容

本ガイドでは、Azure クラウド上のクラスター環境の例として、以下の構成を作成する手順をご案内します。

  • SPS クラスター(2ノードクラスター) マルチ NIC 構成
  • DataKeeper レプリケーションによるデータミラー型の共有データ領域
  • IP リソース、Oracle リソースまたは PostgreSQL リソース

本ガイドは、当社で実際に行った検証作業の構成をベースとして記述したものです。

 

将来における互換性

本ガイドに記載されております内容は、2020年 7月時点の Azure 上で実施した検証に基づいています。将来における Azure 及び LifeKeeper の仕様変更について保証するものではありません。必要に応じて最新のドキュメンテーションを参照し、適切な設定を行ってください。

 

ライセンス

このガイドの手順を実行する際は、SIOS Protection Suite、Oracle Database、PostgreSQL など必要ソフトウェアのライセンスが必要です。

 

制限事項

  • 本構成では、ネットワーク通信のために ILB によるネットワークアドレス変換(NAT)を用います。また、NAT の対象とする TCP ポート番号は固定の番号をあらかじめ設定しておく必要があります。そのため、固定の TCP ポート番号のみを対象とする NAT を経由した通信で不具合が発生するアプリケーションを保護対象とすることはできません。例えば下記のようなアプリケーションが該当します。
    • クライアントとの通信に複数のコネクションを用いるアプリケーションのうち、サーバー側のポート番号が動的に変化するもの(例:ftp のアクティブモード)
    • TCP 以外のプロトコル(UDP、ICMP 等)での通信を行うアプリケーション
  • 本構成のアプリケーションは、仮想 IP アドレスだけでなく、正常性プローブに応答するため、稼働系と待機系それぞれのプライベート IP アドレスでも通信できなければなりません。そのため、アプリケーションが接続を待ち受けるIPアドレスは、任意の IP アドレス (INADDR_ANY) に設定可能である必要があります。

 

用語について

本ガイドで使用する用語について説明します。

  • 内部負荷分散(Internal Load Balancing または ILB)
    Azure クラウドサービスまたは地域が限定された仮想ネットワークの内側に存在する仮想マシン間に負荷分散を実現する機能です。
  • IP リソースが保護する VIP
    SPS で作成した仮想 IP アドレスです。
  • ILB が設定する VIP
    Azure で作成した Internal Load Balancing の仮想 IP アドレスです。
  • Azure のプライベート IP アドレス
    Azure の Virtual Network で使用するプライベートアドレスです。

 

スクリーンショット画像について

随所に現れるスクリーンショット画像はヒント情報です。当社が実際に環境を作るときに採取した画面が掲載されており、稼働系と待機系などの画面が混在している場合があります。

 

SPS を Azure で動作させるための要件

  • SPS クラスターでは、保護されたアプリケーションとの通信のために Azure Internal Load Balancer (ILB) を利用します。ILB が正常に動作するためには、各クラスターノードに 2つのネットワークアダプターが必要です。クラスターノードごとに複数のネットワークインターフェースを定義してください。
  • クラスターノードが Windows ドメインに属さない場合は、ノード名に小文字を含まないようにしてください。
  • Azure 仮想マシンにエフェメラルディスクが含まれている場合は、そのディスクを DataKeeper のビットマップの保存に使用して、レプリケーションの性能を最適化してください。
  • Azure にはアプリケーションの可用性を高めるため、 Availability zone (AS)Availability set (AS) の 2つの選択肢があります。Availability zone は Availability set より可用性が高い構成を構築可能なため、Availability zone の使用を推奨します。お使いのリージョンで Availability zone が提供されている場合、各クラスターノードは異なる Availability zone に配置してください。 Availability set を使用する場合は、各クラスターノードが異なる Fault domain かつ異なる Update domain に配置されるように設定してください。

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