DNS Recovery Kit は、仮想サーバー名のためのDNS Aレコードおよび関連するPTRレコードを生成、更新、管理する機能を提供します。DNSリソースでは、フェイルオーバまたはスイッチオーバの発生時に関連付けられる、仮想サーバー名とIPアドレスを管理された形で構成することができます。
下記の表は、サービス中の稼働系もしくはバックアップのクラスターノードで、管理下にあるサーバー名(SQLSERVER)のDNSで起きる変更の例です。この例では、稼働系ノードの公開IPアドレスは172.17.10.24で、バックアップノードの公開IPアドレスは172.16.10.25です。管理下にある仮想サーバー名、SQLSERVERは、どちらのLifeKeeper nodeが稼働しているかにしたがって、そのIPアドレスを変更します。
Zone: mydomain.com
サービスの稼働系ノード(スイッチオーバもくしくは、フェイルオーバ前)
A レコード_ | SQLSERVER | 172.17.10.24 |
PTR レコード | 25.10.16.172.in-addr.arpa | SQLSERVER.mydomain.com |
バックアップノードでサービス中(スイッチオーバもしくは、フェイルオーバ後)
A レコード | SQLSERVER | 172.17.10.25 |
PTR レコード | 25.10.16.172.in-addr.arpa | SQLSERVER.mydomain.com |
プライマリサーバ上で DNS リソース階層を作成するには、次の手順に従ってください。
- サーバを選択します。次に、 サーバコンテキストメニュー または サーバコンテキストツールバー の [リソース階層の作成] をクリックします。
- [保護するアプリケーションを作成] ウィンドウが起動し、 プライマリ サーバおよび バックアップ サーバが表示されます。この設定を行う正しいシステムを選択します。
- クラスタにインストールされているすべてのリカバリキットの一覧が表示されます。*DNS* を選択し、 [次へ] をクリックします。
- [保護するアプリケーションを作成] ウィンドウに従って、下表の情報を入力します。
- リソース階層が無事、プライマリーノード上に生成されたとのメッセージが表示されたら、 [次へ] をクリックし、DNSリソースをバックアップノードへも拡張します。
フィールド | 説明 |
---|---|
リソース DNS タグ | 作成する DNS リソースインスタンスの一意のタグ名を選択するか入力します。このフィールドには、デフォルトのタグ名が表示されます。このタグ名は変更できます。 注意 : タグ名に使用できる文字はASCII印字可能文字のみです。 |
_A レコード_のオーナー名 | DNSで更新されるAレコードとPTRレコードの仮想サーバー名を入力します。このサーバー名の入力では、サーバーの完全修飾ドメイン名ではなく、NetBIOSのコンピュータ名を使用してください。 |
IP アドレス | DNSリソースがこのノードでサービス中に仮想サーバー名にアサインするIPアドレスを入力してください。このIPアドレスは、通常、LifeKeeperノードの公開IPアドレスです。この IP アドレスにマップされる A レコードは、フェイルオーバまたは手動切り替え時に更新されます。 |
DNS サーバ名 (完全修飾ドメイン名) | DNSリソースレコードを変更する DNS サーバの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を< DNS Server Name> <mydomain.com> 形式で入力します。もし、複数のDNSサーバが構成される場合には、名前をスペースで区切ってください。サービス中は、少なくとも一つ以上のDNSサーバが、常に、プライマリ、もしくはバックアップ用のLifeKeeperノードのサーバーからアクセスできなくてはなりません。そのDNS サーバは、可能であれば、同じサイトのプライマリサーバからアクセスできるようにします。ターゲットとなるDNSサーバのリストはそれぞれのLifeKeeperノードにおいて同じ場合もあれば、異なる場合もあります。同じDNS環境の他のネームサーバ (NS) のレコードもフェイルオーバまたは手動切り替えの発生時に更新されます。 DNSサーバリソースの生成の際には、DNSサーバーの全リストを用意する必要はありません。LifeKeeperは、DNSリソースの生成時には全リストの内のサーバの一つに接続できれば、正しく構成されているほかのDNSサーバーを検出します。 |
DNS 管理ユーザ名 | Windows DNS/ドメイン管理者のユーザ名を入力します。このユーザアカウントには DNS 設定を変更する権限が必要です。ユーザは、DNS サーバと同じドメインの「Domain Admins」グループに属している必要があります。ユーザ ID は <DomainName>\<UserID> 形式で入力します。<DomainName> はドメインの NetBIOS 名です。 |
DNS 管理者のパスワード | Windows DNS/ドメイン管理者アカウントのパスワードを入力します。 |
各サーバにおけるDNSリソースの構成を変更する場合は、DNSリソースを右クリックし、[プラパティ] を選択すると、現在のDNSリソース構成が下記のように表示されます。
各クラスタノードにおけるDNSリソースの構成がすぐに検出され、上記の[リソースのサーバを選択]から対象となるLifeKeeperクラスタノードを選択することで変更が可能です。
リソース構成には下記のオプションが含まれます:
・ DNS/Domain Account IDおよび、もしくはDNS更新に使われるパスワード
・ 対象となるDNS Server Name List の管理(追加もしくは削除)
管理対象となるDNSリソースを監視するDNSのDeep Check Scriptは、対象となるDNSサーバ(最初に接続されたサーバ)の管理されるサーバー名のAレコードの有無をチェックし、その後、検出されDNS(NS)サーバについてもチェックします。もし、正しいIPアドレスへマップされたAレコードが少なくとも一つ以上のDNSサーバーについて見つからない場合、Deep Check ScriptはFailし、ローカルリカバリ(有効な場合)をトリガし、AレコードおよびPRTレコードが対象となる検出されたDNS(NS)サーバーに対して再生成されます。
もしローカルリカバリがそのDNSサーバで無効とされている場合、もしくは有効とされていて機能しなかった場合は、フェールオーバします。
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