エンキューレプリケーションサーバー バージョン1からエンキューレプリケーションサーバー バージョン2にアップグレードするには、まず SAP カーネルバージョンが ERSv2 をサポートしていることを確認してから、次の手順を実行します。

  1. ENSAv1からENSAv2へのアップグレード の指示に従って、ENSAv2を使用するようにASCSインスタンスをアップグレードします。SAPでは混合バージョン構成はサポートしていないため、同じバージョンのスタンドアロンエンキューサーバーおよびエンキューレプリケーションサーバーを使用する必要があります。詳細については、ENSAv2/ERSv2のSAPドキュメントを参照してください。
  1. ERSインスタンスの仮想IPと共有ファイルシステムをセットアップします。またLifeKeeperで、対応する仮想IPおよびファイルシステムのリソース階層を作成します。これらは、ERSリソースの再作成中にステップ9で使用します。 注記: これらのLifeKeeperリソースは、対応するASCSインスタンスが現在Standby(OSU)であるノード上でActive(ISP)である必要があります。
  1. デフォルトプロファイル(通常 /usr/sap/<SID>/SYS/profile/DEFAULT.PFL にあります)で以下のパラメーターを設定します。これらのパラメーターは、すべてのインスタンスで同じにする必要があります。

    • enq/enable=TRUE
      enq/serverhost=<
    ASCS instance host>
    enq/serverinst=<ASCS instance number>
    enq/replicatorhost=<ERS instance host>
    enq/replicatorinst=<ERS instance number>
    enque/process_location=REMOTESA
  1. ASCSインスタンスプロファイル(通常 /usr/sap/<SID>/SYS/profile/<SID>_ASCS<No>_<VIP> にあります)で、次のパラメーターを設定します。

    • enq/server/replication/enable = true
      _ENQ = enq.sap$(
    SAPSYSTEMNAME)_$(INSTANCE_NAME)
    Execute_01 = local rm -f $(_ENQ)
    Execute_02 = local ln -s -f $(DIR_EXECUTABLE)/enq_server$(FT_EXE) $(_ENQ)
    Start_Program_01 = local $(_ENQ) pf=$(_PF)
注記: Execute_* および Start_Program_* パラメーターに使用される番号は、このプロファイルでそのパラメーターにまだ使用されていない最初の番号である必要があります。
  1. ASCSインスタンスプロファイル(通常 /usr/sap/<SID>/SYS/profile/<SID>_ERS<No>_<VIP> にあります)で、次のパラメーターを設定します。

    • _ENQR = enqr.sap$(
    SAPSYSTEMNAME)_$(INSTANCE_NAME)
    Execute_01 = local rm -f $(_ENQR)
    Execute_02 = local ln -s -f $(DIR_EXECUTABLE)/enq_replicator$(FT_EXE) $(_ENQR)
    Start_Program_00 = local $(_ENQR) pf=$(_PF)
注記: Execute_* および Start_Program_* パラメーターに使用される番号は、このプロファイルでそのパラメーターにまだ使用されていない最初の番号である必要があります。
  1. デフォルト、ASCS、およびERSインスタンスプロファイルのパラメーターを設定した後、次のコマンドを実行して、ASCSおよびERSインスタンスのSAP Start Serviceを再起動します(<sid>を小文字のSAP SIDに、<SID>を大文字のSAP SIDに置き換えます)。


  • su – <sid >adm -c "sapcontrol -host <
ASCS VIP> -nr <ASCS Inst#> -function RestartService <SID>"
su – <sid >adm -c "sapcontrol -host <ERS VIP> -nr <ERS Inst#> -function RestartService <SID>"
  1. アップグレードする必要のあるLifeKeeperに既存のERSリソースがない場合は、手順9に進んでください。それ以外の場合は、リソースを右クリックして [Delete Dependency….] を選択し、LifeKeeperのERSリソースのすべての依存関係を削除します。すべての依存関係を削除するには、 [Delete Dependency…] を何度か選択する必要がある場合があります。依存関係を削除すると、次の図に示すように、ERSリソースは子の依存関係やそれに依存する他のリソースを持たず、単独の階層に存在するようになります。
  1. LifeKeeperの階層パネルでERSリソースを右クリックし、 [Delete Resource Hierarchy…] を選択します。 ターゲットサーバー として任意のサーバーを選択し、 [Next] をクリックします。 [Delete] をクリックして、すべてのノードのERSリソースを削除します。 警告: 前のステップでERSリソースとSAP階層内の他のリソース間のすべての依存関係が正常に削除できなかった場合、 このステップによってSAP階層全体が削除される可能性があります。
  1. すべてのノードでERSリソースを正常に削除したら、「 SAPインストール→SAP階層の作成 」の「ERSリソースの作成」セクションの指示に従って、新しいERSリソースを作成し、目的のクラスターノードに拡張します。ERSリソースの作成中に、手順2で作成した仮想IPおよび依存ファイルシステムリソースを選択します(該当する場合)。選択すると、これらのリソースはERS階層に子の依存関係として自動的に追加されます。
  1. ERSリソースが拡張されたすべてのクラスターノードで、 ファイル/opt/LifeKeeper/subsys/appsuite/resources/sap/INFO_<ERS Tag> を編集し、SAPENQREP_VERSION=2であることを確認します。INFOファイルにSAPENQREP_VERSIONの値が含まれていない場合、行「SAPENQREP_VERSION=2」を追加する必要があります。
  1. SAPシステムを再起動します。ERSインスタンスが再起動すると、enrepserver(ERSv1)プロセスではなく、enq_replicator(ERSv2)プロセスが使用されます。これは、LifeKeeperでERSリソースを右クリックし、 [Properties…] を選択することで確認できます。

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