LifeKeeper for Linux NAS Recovery Kit を操作する前に、次の事項を検討する必要があります。

  1. エクスポートしたファイル・システムをマウントし、かつ NAS リソース階層を拡張するクラスタ構成内のサーバへ、NAS Recovery Kit をインストールします。ファイル・システムは、LifeKeeper で保護できる NFS サーバからエクスポートすることもできますし(推奨設定)、Network Attached Storage デバイスからエクスポートするこ ともできます。
  1. このキットを適切に実行するために、サーバ名ではなくサーバの IP アドレスを使用して、エクスポートされた NFS ファイル・システムをマウントすること、およびファイル・システムを LifeKeeper 保護下に入れる前にマウント操作を実行することを強くお勧めします。さらに、LifeKeeper for Linux NFS Server Recovery Kit によって現在保護されているファイル・システムをマウントする場合は、NFS Server 階層を作成するために使用した IP アドレスを、LifeKeeper NAS サーバへファイル・システム をマウントするために使用することを強くお勧めします。NFS マウント・オプション“intr”を使用して、LifeKeeper がファイル・システムで実行される操作を中断できるようにします。このオプションを設定し忘れると、LifeKeeper に障害が起こる可能性があります。
  1. スプリットブレイン(つまり、クラスタ内の複数のノードにサービス中の保護された(ISP)階層がある)に関連する問題が発生しないようにするため、エクスポートしたファイル・システムへアクセスするために使用する同じネットワーク上のクラスタ内のノード間に、通信パスの 1 つを確立することを強くお勧めします。この推奨事項に従わないと、通信パスの障害が発生したときに、複数のノードで階層が ISP スプリットブレインになる可能性があります。スプリットブレインのシナリオからリカバリーするには、1 つの ISP 階層を除いたすべての階層をサービス休止状態にします。これにより、1 つのノードのみが、エクスポートされたファイル・システムへアクセスできるようになります。
  1. NAS 階層をビルドするために使用するビルトイン・ファイル・システムのリカバリー・キットでは、フェイルオーバ条件でマウントされたファイル・システムを使用 している LifeKeeper 保護下に入っていないプロセスを検出したり、除去したりすることはできません。そのため、LifeKeeper 保護下に入れるプロセスのみが、NAS 保護下のファイル・システムを使用するように設定することを強くお勧めします。
  1. LKNFSTIMEOUT という調整可能パラメータは、NFS マウント・ファイル・システムのステータスを判別するときに NAS Recovery Kit が使用するタイムアウトを秒単位で表します。この調整可能パラメータのデフォルト値は、2 分に設定されます。 LKNFSSYSCALLTO という調整可能パラメータは、マウント・ポイントのステータスを判別するときにアラームがシステム・コールを中断するように NAS Recovery Kit が使用するタイムアウトを秒単位で表します。下記の式を使用して、この調整可能パラメータの値を判別します。LKNFSSYSCALLTO の 3 倍の値に 5 を加算した値が、LKNFSTIMEOUT の値より小さくなければなりません。
  1. 調整可能パラメータ LKNASERROR は、NAS デバイスへのアクセスが失敗したときに NAS Recovery Kit が実行するアクションを制御します。調整可能パラメータには、2 つの 値( switch および halt )があり、 switch がデフォルトです。値が switch に設定され、アクセスが失敗すると、NAS Recovery Kit は障害の検出時に、バックアップ・サーバへのリソース階層の転送を開始します。バックアップ・サーバへのリソース階層の転送試行は、NAS リソースより上にあるリソースが NAS ファイル・システム上の項目へアクセスしようとすると、停止する場合があります。この問題を回避するには、調整可能値を halt に設定します。これにより、アクセス障害が検出されると、即時にシステムが停止します。このアクションによって、バックアップ・サーバへのすべてのリソース階層のフェイルオーバが強制されます。
  1. ノード障害(すべてのコミュニケーションパスがダウンする)によるスプリットブレインが発生しないように、STONITHデバイスやQuorum/Witnessパッケージの使用を推奨します。スプリットブレインが発生して、クラスタ内の複数のノードでNASリソースがin serviceになるとデータ破損を引き起こす可能性があります。詳細は、SIOS Protection Suite のテクニカルドキュメンテーションを参照してください。

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