次の手順は、Oracle を使用する場合の例です。 注記 :この例では、DB ID および SAP SID として「STC」が使用されています。これらのコマンド(たとえば、/usr/sap/STC またはユーザ orastc )で使用されている「STC」または「stc」はすべて、ユーザのクラスタ構成で使用されている実際の DB ID または SAP SID に置き換える必要があります。
- ディレクトリを /usr/sap/STC に変更し、各サブディレクトリに移動し、データをコピーしてください。
- cd ASCS{No.}
- cp –a * /tmp/m1
- cd ../SCS{No.}
- cp –a * /tmp/m2
- cd ../DVEBMGS{No.}
- cp –a * /tmp/m3
- これらの一時ディレクトリを正しいユーザ権限に変更してください。
chown stcadm:sapsys /tmp/m1 (repeat for m2 and m3)
- umount /tmp/m1 を使用して これらの 3 つの一時ディレクトリをアンマウントし、m2 と m3 についても同様に行ってください。
- デバイスを古いディレクトリに再マウントしてください。
mount /dev/sap/ASCS{No.} /usr/sap/STC/ASCS{No.}
mount /dev/sap/SCS{No.} /usr/sap/STC/SCS{No.}
mount /dev/sap/DVEBMGS{No.} /usr/sap/STC/DVEBMGS{No.}
- Oracle 用の 13 個の一時ディレクトリをマウントしてください。
mount /dev/oracle/sapdata1 /tmp/m1
mount /dev/oracle/sapdata2 /tmp/m2
mount /dev/oracle/sapdata3 /tmp/m3
mount /dev/oracle/sapdata4 /tmp/m4
mount /dev/oracle/mirrlogA /tmp/m5
mount /dev/oracle/mirrlogB /tmp/m6
mount /dev/oracle/origlogA /tmp/m7
mount /dev/oracle/origlogB /tmp/m8
mount /dev/oracle/saparch /tmp/m9
mount /dev/oracle/sapreorg /tmp/m10
mount /dev/oracle/saptrace /tmp/m11
mount /dev/oracle/oraarch /tmp/m12
mount /dev/oracle/oraflash /tmp/m13
- ディレクトリを /oracle/STC に変更し、データをコピーしてください。
a. 各サブディレクトリに移動してください (cd sapdata1 を実行し、cp -a * /tmp/m1 を実行する)
- 前の手順を、上記の関係に示すように各サブディレクトリについて繰り返します。
- これらの一時ディレクトリを正しいユーザ権限に変更してください。
chown orastc:dba /tmp/m1 (repeat for m2 to m12)
- すべての一時ディレクトリをアンマウントしてください。
umount /tmp/m*
- デバイスを古いディレクトリに再マウントしてください。
mount /dev/oracle/sapdata1 /oracle/STC/sapdata1
- リストされているすべてのディレクトリに対し、上記の手順を繰り返してください。
- /etc/exports ファイルを編集し、SAP のメインディレクトリ用のマウントポイントを挿入してください。
/exports/sapmnt *(rw,sync,no_root_squash)
/exports/saptrans *(rw,sync,no_root_squash)
- rcnfsserver start コマンド (これは SLES 用のコマンドで、Red Hat の場合はservice nfs start または systemctl start nfs ) を使用して NFS サーバを起動してください。NFS サーバがすでにアクティブの場合、「exportfs -va」を使用してこれらのマウントポイントをエクスポートする必要があります。
- 次のマウントコマンドを実行します ( フェイルオーバとリカバリで重要になるので、udp の使用方法に注意してください )。
mount { virtual ip }:/exports/sapmnt/< SID > /sapmnt/< SID > -o rw,sync,bg,intr,udp
mount { virtual ip }:/exports/saptrans /usr/sap/trans -o rw,sync,bg,intr,udp
- Oracle にログインし、Oracle を起動します (su コマンドで orastc に切り替えた後)。
lsnrctl start LISTENER_STC
sqlplus / as sysdba
startup
- SAP にログインし、SAP を起動します (su コマンドで stcadm に切り替えた後)。
startsap sap{No.}
- すべてのプロセスが起動されていることを確認してください。
ps –ef | grep en.sap (2 processes)
ps –ef | grep ms.sap (2 processes)
ps –ef | grep dw.sap (17 processes)
SAP MCC( SAP 用 Microsoft 管理コンソールスナップイン )は、SAP インスタンスの管理に使用できる SAP 提供の Windows クライアントです。Unix/Linux 対応バージョンの SAP MC( SAP 管理コンソール)も利用できます。
- SAP と Oracle Listener を停止してください。( 注記 : ステップ c で、Oracle の SQL*Plus ユーティリティを使用して Oracle にログインし、データベースをシャットダウンしています。)
a. su コマンドで stcadm に切り替え、コマンド 「stopsap sap{No.}」 を入力してください。
b. su コマンドで orastc に切り替え、コマンド 「lsnrctl stop LISTENER_STC」 を入力してください。
c. su コマンドで orastc に切り替え、コマンド 「sqlplus sys as SYSDBA」 を入力し、コマンドプロンプトに「shutdown」 を入力してください。
d. コマンド 「stopsap sap{No.}」 を入力してください。
e. ルートユーザとして、「killall sapstartsrv」 を実行してください。
f. stcadm および orastc ユーザにまだ関連付けられている残りのプロセスを強制終了してください。(例: ps -u stcadm および ps -u orastc )
- すべてのファイルシステムをアンマウントしてください。
umount /usr/sap/trans
umount /sapmnt/STC
umount /oracle/STC/*
umount /usr/sap/STC/DVEBMGS{No.}
umount /usr/sap/STC/SCS{No.}
umount /usr/sap/STC/ASCS{No.}
- NFS サーバを停止し( SLES ではコマンド「rcnfsserver stop」 を、RHEL ではコマンド「service nfs stop」または「systemctl stop nfs」 を使用)、アンマウントを実行してください。
umount /exports/sapmnt
umount /exports/saptrans
- /etc/exports をバックアップシステムにコピーしてください。
scp /etc/exports (backup ip):/etc/exports
- 論理ボリュームをプライマリ上で非アクティブ化してください。
lvchange –an oracle
lvchange –an sap
- 対応する SAP ディレクトリをバックアップシステム上に作成してください。
mkdir –p /exports/sapmnt
mkdir –p /exports/saptrans
- 論理ボリュームをバックアップシステム上でアクティブ化してください。
lvchange -ay oracle
lvchange -ay sap
注記: ボリュームグループが構築されたとき、プライマリ上でストレージの再編成が発生した場合、この手順で問題が発生する場合があります。バックアップを再起動することで、この問題を解消できます。
- バックアップマシンにディレクトリをマウントしてください。
mount /dev/sap/sapmnt /exports/sapmnt
mount /dev/sap/saptrans /export/saptrans
mount /dev/sap/ASCS00 /usr/sap/STC/ASCS{No.}
mount /dev/sap/SCS01 /usr/sap/STC/SCS{No.}
mount /dev/sap/DVEBMGS02 /usr/sap/STC/DVEBMGS{No.}
mount /dev/oracle/sapdata1 /oracle/STC/sapdata1
mount /dev/oracle/sapdata2 /oracle/STC/sapdata2
mount /dev/oracle/sapdata3 /oracle/STC/sapdata3
mount /dev/oracle/sapdata4 /oracle/STC/sapdata4
mount /dev/oracle/origlogA /oracle/STC/origlogA
mount /dev/oracle/origlogB /oracle/STC/origlogB
mount /dev/oracle/mirrlogA /oracle/STC/mirrlogA
mount /dev/oracle/mirrlogB /oracle/STC/mirrlogB
mount /dev/oracle/oraarch /oracle/STC/oraarch
mount /dev/oracle/saparch /oracle/STC/saparch
mount /dev/oracle/saptrace /oracle/STC/saptrace
mount /dev/oracle/sapreorg /oracle/STC/sapreorg
- LifeKeeper を介して、IP アドレスをバックアップシステムにスイッチオーバしてください。
- NFS エクスポートをバックアップ上にマウントしてください。
mount sap{No.}:/exports/sapmnt/STC /sapmnt/STC
mount sap{No.}:/exports/saptrans/trans /usr/sap/trans
- Oracle にログインし、Oracle を起動します (su コマンドで orastc に切り替えた後)。
lsnrctl start LISTENER_STC
sqlplus / as sysdba
startup
- SAP にログインし、SAP を起動します (su コマンドで stcadm に切り替えた後)。
startsap sap{No.}
- LifeKeeper にログインし、プライマリとバックアップの優先インスタンスを切り替えてください (バックアップを高い優先度にする)。
- 元のプライマリ上で、元のディレクトリを以下のように保存します。
mv /exports /exports-save
mv /usr/sap/STC/DVEBMGS{No.} /usr/sap/STC/DVEBMGS{No.}-save (repeat for SCS{No.} and ASCS{No.})
mv /oracle/STC/sapdata1 /oracle/STC/sapdata1-save (repeat for sapdata2, sapdata3, sapdata4, mirrlogA, mirrlogB, origlogA, origlogB, sapreorg, saptrace, saparch, oraarch)
- 「ファイルシステム」リソース、17 個のマウントポイント (SAP 用に 5 個、Oracle 用に 12 個) を 1 つずつ作成してください。
- 元のプライマリを拡張してください。
LifeKeeper リソース階層と SAP クラスタが構築されました。( 注記 : これは、DEV インスタンスからのスクリーンショットです。)
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