設定上の考慮事項 トピックで前述したように、SAP プライマリーまたはバックアップノードのいずれかにおいて、ファイルシステムが NFS 共有をローカルにマウントするよう設定されている場合、NFS 階層を Out-of-Service にするとシステムがハングし、再起動を正常に行えません。不注意で NFS サーバーを停止してクラスタをハングさせないよう、次のようにすることを推奨します。

  • 保護された NFS 共有に対するローカル NFS マウントポイントを含むサーバー上で、NFS リソース階層を Out-of-Service 状態にしないでください。NFS 子リソースが In-Service である限り、SAP リソースは自由に In-Service と Out-of-Service を切り替えることができます。また、サーバーをシャットダウンする前に、NFS 階層を別のサーバーで In-Service にすることができます。
  • ローカルでマウントされた NFS 共有を保護している NFS リソース階層が In-Service であるサーバー上の LifeKeeper を停止する必要がある場合、必ず、 –f オプションを使用してください。LifeKeeper をコマンド lkstop –f を使用して停止すると、LifeKeeper は階層を Out-of-Service 状態にすることなく停止することができ、ローカル NFS マウントによるサーバーハングを防ぐことができます。詳細については、 lkstop マニュアルページ を参照してください。
  • ローカルでマウントされた NFS 共有を保護している NFS リソース階層が In-Service であるサーバーを再起動する必要がある場合、先に LifeKeeper を、上述の –f オプションを使用して停止してください。-f オプションを使用して停止せずにサーバーを再起動すると、システムにより LifeKeeper が –f オプションなしで停止されるため、NFS リソース階層が Out of Service 状態になり、システムがハングします。
  • SAP パッケージをアンインストールする必要がある場合、サーバー上で In Service であり保護された (ISP: In-Service Protected) NFS リソースを含む SAP リソース階層がある場合はアンインストールしてはなりません。SAP リソース階層を削除してから、パッケージをアンインストールしてください。
  • LifeKeeper をアップグレードする場合、もしくは LifeKeeper インストール設定スクリプトを実行する必要がある場合、LifeKeeper for Linux インストールガイド に記載されているアップグレード手順に従うことを推奨します。には、 LifeKeeper インストールイメージファイル上の設定スクリプトを実行したり、 LifeKeeper パッケージをアップデートしたりする前に、アップグレード対象のサーバーからすべてのアプリケーションを退避させることについて記載されています。特に、LifeKeeper インストールイメージファイル上の設定スクリプトは、LifeKeeper がアクティブな NFS 共有を保護しているサーバー上で実行してはなりません。なぜなら、nfsd カーネルモジュールをアップグレードするにはそのサーバー上の NFS を停止する必要があり、ローカルでマウントされた NFS ファイルシステムによりサーバーがハングする可能性があるからです。その他の情報については、NFS Server Recovery Kit ドキュメンテーション を参照してください。
  • TCP を使用すると、forceumount 呼び出し中の Out of Service 操作中にハングする可能性があります。NFS 共有にアクセスできない場合、アンマウントが失敗することがあります。LifeKeeper は、ファイルシステムのアンマウントを複数回試行します。複数回試行することにより、通常、最終的にリソースを Out of Service にすることに成功します。ただし、リソースを Out of Service にする際に遅延が発生します。再試行を回避するには、マウントオプション「nfsvers=3, proto=udp 」を使用します。
  • /sapmnt(または /sapmnt/<SID> )ファイルシステムが NFS 経由で共有されている場合、NFS 共有の喪失に起因する SAP リソース管理アクションのハングを防ぐために、クラスタ内の各ノードの /etc/default/LifeKeeper に「SAP_NFS_CHECK_DIRS=/sapmnt」 を追加する必要があります。

NFS 共有ファイルシステムを /etc/fstab のエントリーに追加できない場合、代わりにこれらのエントリーをクラスター内の各サーバーの各 SAP リソース用の LifeKeeper “critical NFS mounts” ファイルに追加することができます。これらのファイルは /opt/LifeKeeper/subsys/appsuite/resources/sap/critical_nfs_mounts_<Tag> に配置されています。これらのファイルにエントリーがあるファイルシステムは、対応する SAP リソースが LifeKeeper で起動した時に自動的にマウントされます。詳細については 「重要な NFS 共有の自動マウント」 を確認してください。

フィードバック

お役に立ちましたか?

はい いいえ
お役に立ちましたか
理由をお聞かせください
フィードバックありがとうございました

このトピックへフィードバック

送信