LifeKeeper for Linux NAS Recovery Kit
LifeKeeper for Linux NAS Recovery Kit の第 1 の目的は、LifeKeeper ユーザに対し、共有ストレージとデータ・レプリケーションに代わる代替ストレージ方式を提供することです。NAS Recovery Kit を使用すると、LifeKeeper 保護下のサーバまたはクライアント上に LifeKeeper リソース階層を作成できます。このリソース階層には、Network Attached Storage デバイスまたはクラスタ内の NFS サーバからエクスポートしたネットワーク・ファイル・システム(NFS)をインポート(マウント)できます。エクスポートしたファイル・システムがマウントされたクラスタ内のノードで障害が検出されると、NAS Recovery Kit は、事前判別されたバックアップ・ノードへのフェイルオーバを開始します。
そのため、エクスポートしたファイル・システムが LifeKeeper サーバまたはクライアン トにマウントされたら、それを LifeKeeper 階層のストレージの基礎として完全に使用できます。
エクスポートしたファイル・システムをストレージ・メディアとして使用する場合、 LifeKeeper では、ファイル・システムがエクスポートされたサーバの保護を必要としません。ただし、可用性を高めるには、ユーザが LifeKeeper for Linux NFS Server Recovery Kit を使用して、ファイル・システムがエクスポートされたサーバで障害が発生しないように保護することが推奨されます。
NAS Recovery Kit のリソース階層は、LifeKeeper Core 製品(steeleye-lk パッケージ)から 入手可能な現存の File System Recovery Kit を使用して作成されます。
NAS Recovery Kit にはいくつかの利点がありますが、最も重要な 2 つの利点は、コストのかかる共有ストレージ・デバイスを使用する必要がなくなる点と、複数ノードのクラスタ構成が可能になる点です。
NAS Recovery Kit の制限事項
- このバージョンの NAS Recovery Kit では、NAS デバイスへのアクセスが失敗したときのローカル・リカバリーをサポートしていません。障害が検出されると、デフォルト・アクションによって、バックアップ・サーバへの階層の転送が開始されます。 リソース階層の構成に応じて、このアクションはハング・プロセスにつながることがあります。ハング・プロセスを回避するには、サーバを停止してバックアップ・ サーバへのフェイルオーバを強制するように、デフォルト・アクションを変更します。デフォルトの切り替え動作を変更するには、LifeKeeper デフォルト・ファイルで LKNASERROR の設定を変更します。LKNASERROR の詳細については、このドキュメントのセクション「LifeKeeper for NAS Recovery Kit の設定」を参照してください。
- NAS Recovery Kit は、Network Attached Storage デバイスを保護しません。このキットの目的は、LifeKeeper ストレージ・オプションを Network Attached Storage 領域まで拡張することです。
- NAS Recovery Kitでは、NFSファイル・システムを異なるマウント・ポイントへ複数回マウントすることは許可されません。ファイル・システムが/etc/fstabファイルで複数回検出されると、階層の作成試行は失敗します。
- NAS Recovery Kitは以下の形式のNASデバイスまたはNFSをサポートしておりません。
- export されているパスに”:“が含まれている (例: 192.168.1.10:/export/pa:th)
- IPv6が使用されている (例: fc00::10:/export/data)
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