SAP NetWeaver フレームワークには、冗長化することのできないサービスが一部存在します。これらのサービスは、同一の SAP システム上に複数個存在することができないため、単一障害点になります。LifeKeeper SAP Recovery Kit は、これらの単一障害点に標準的な LifeKeeper 機能による保護を提供します。さらに、このキットでは、SAP インフラストラクチャのその他の部分についても、さまざまなレベルにおいて保護する機能を提供します。各インフラストラクチャコンポーネントの保護は、階層内の単一のリソースで表現されます。
SAP Recovery Kit は、さまざまな SAP インスタンス、すなわち SAP プライマリアプリケーションサーバ (PAS) インスタンス、ABAP SAP セントラルサービス (ASCS) インスタンス、SAP セントラルサービス (SCS) インスタンスに対して監視とスイッチオーバを提供します (セントラルサービスインスタンスは、ENQEUE およびメッセージサーバを保護する)。SAP Recovery Kit は、適切なデータベースリカバリキットと連携してデータベースを保護し、Network File System (NFS) Server Recovery Kit と連携して NFS マウントを保護します。また、必要に応じてクラスタ内のネットワークカード間で移動できる仮想 IP アドレスを提供するため、IP Recovery Kit も使用されます。Network Attached Storage (NAS) Recovery Kit を使用して、ローカル NFS マウントを保護できます。これらさまざまな Recovery Kit を使用して、アプリケーション環境のすべてのコンポーネントを保護する SAP リソース階層を構築します。
各 Recovery Kit は、保護下にあるアプリケーションの状態を監視し、ローカルおよび別のクラスタサーバ上のアプリケーションを停止し再開できます。
SAP システム階層のマップ
典型的な SAP リソース階層は、LifeKeeper GUI に次のように表示されます。
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