LifeKeeper NFS Server Recovery Kit を使用する前に、次の事項を考慮する必要があります。
- LifeKeeper で保護する NFS ファイルシステムはプライマリサーバ (NFS リソースを作成するサーバ) によってエクスポートする必要があります。これは、NFS が実行中で、基礎ファイルシステムがマウントされていることを意味します。
注記: NFS 経由で /home ディレクトリを共有している場合は、 /home が基礎ファイルシステムです。
- 読み書き可能なファイルシステムをエクスポートするときは、 sync オプションを使用してください。 このオプションを使用すると、ファイルシステムのすべての書き込みをディスクにコミットしてから書き込み要求が完了します。LifeKeeper の保護下にある NFS ファイルシステムで sync オプションを使用しない場合、フェイルオーバ時にデータが失われる可能性があります。
- 基礎ファイルシステムは共有デバイス上にある必要があり、書き込み権限でマウントする必要があります。
- 基礎ファイルシステムがすでに LifeKeeper によって保護されている場合、そのファイルシステムはプライマリサーバ上で In Service で、最高の優先順位を持っている必要があります。基礎ファイルシステムが LifeKeeper の保護下にない場合、Recovery Kit によって保護下に置かれます。
- NFS v4 ルートおよびどのバインドマウントも、プライマリサーバ (NFS リソースが作成されるサーバ) によってエクスポートされる必要があります。これは、NFS が実行中で、基礎ファイルシステム (ルートおよびバインドマウント) がマウントされていることを意味します。ルートおよびバインドマウントは LifeKeeper が保護することができる共有デバイス上に存在している必要があります。基礎ファイルシステムがすでに LifeKeeper によって保護されている場合は、基礎ファイルシステムがプライマリサーバ上で In Service で最高の優先順位を割り当てられている必要があります。ファイルシステムがすでに保護されていない場合は、Recovery Kit によって保護下に置かれます。
注記: NFSv4 のルートが /export で、 bin 、 opt 、 other の 3 つのサブディレクトリを持つ場合、ローカルファイルシステムの /usr/local/bin と /usr/local/opt が NFSv4 擬似ファイルシステムにバインドマウントされた後、 /export 、 /usr/local/bin、/usr/local/opt が共有デバイス上にマウントされる必要があります。 このとき、/export は書き込み権限でマウントされ、 /usr/local/bin と /usr/local/opt は /export にバインドマウントされ (mount --bind /usr/local/bin /export/bin および mount --bind /usr/local/opt /export/bin)、 /export 、 export/bin、/export/opt はすべてエクスポートされる必要があります。詳細については、NFSv4 でのアクティブ / スタンバイ の設定例を参照してください。
- NFS Server Recovery Kit は、プライマリサーバで作成され In Service の IP リソースを必要とします。また、この IP リソースは、プライマリサーバで最高の優先順位を持っている必要があります。
- NFS リソースを作成する前に、クライアントは LifeKeeper が保護している IP アドレスを使用して NFS ファイルシステムをマウントできる必要があります。
- NFS ファイルシステムリソースを拡張するときには、各サーバでファイルシステムを同じマウントポイントでマウントする必要があります。
- NFSv4 ルートエクスポートを保護する場合、 /var/lib/nfs は、マウント時に書き込み権限を持っている NFSv4 ルートファイルシステムへ移動されます。継続したアクセスを提供するため、 /var/lib/nfs から NFSv4 ルートへのシンボリックリンクが作成されます。このため、NFSv4 でのアクティブ / アクティブ設定、NFS v2/v3 と NFSv4 の混在設定はサポートされていません。NFS v2/v3 エクスポートは、スタンドアロンの NFS v2/v3 エクスポートではなく NFSv4 のバインド機能を使用すべきです。
- Oracle Recovery Kit は、共有データベースストレージ用に NFSv3 をサポートしています。NFSv4 のファイルロック機構のため、現時点では NFSv4 は Oracle Recovery Kit によってサポートされていません。
- NFS クライアントに Linux kernel 3.12 以降を採用しているシステムを使用する場合、kernel の仕様によりクライアント側は通信断時にロックを失います。その為、スイッチオーバやフェイルオーバ時にロックの引き継ぎが保証されません。
- NFSv4 において、クライアントは一定時間サーバと通信を行えない場合、ロックを失います。この値は、LifeKeeper では変数 NFS_V4_LEASE_TIME で扱っており、デフォルトでは 10(秒) が設定されています。スイッチオーバやフェイルオーバを実行しクライアントとサーバの通信が NFS_V4_LEASE_TIME に設定された時間より長く停止した場合は、そのクライアントが設定したファイルのロックは強制的に解除されます。この時間を変更する場合、/etc/default/LifeKeeper に、環境変数 NFS_V4_LEASE_TIME を適切な値で設定してください。
なお NFS_V4_LEASE_TIME の値を大きくした場合、上記の問題は起こりにくくなりますが、サーバが切り替わったあとのクライアントとの再接続に時間がかかるようになります。
- Red Hat Enterprise Linux 7以降、CentOS 7以降、Oracle Linux 7以降では NFSv2 はサポートされません
- Red Hat Enterprise Linux 8以降では NFS over UDP はサポートされません。
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