LifeKeeper for Linux NAS Recovery Kit を操作する前に、次の事項を検討する必要があります。
- エクスポートしたファイルシステムをマウントし、かつ NAS リソース階層を拡張するクラスタ構成内のサーバへ、NAS Recovery Kit をインストールします。ファイルシステムは、LifeKeeper で保護できる NFS サーバからエクスポートすることもできますし(推奨設定)、Network Attached Storage デバイスからエクスポートすることもできます。
- このキットを適切に実行するために、サーバ名ではなくサーバの IP アドレスを使用して、エクスポートされた NFS ファイルシステムをマウントすること、およびファイルシステムを LifeKeeper 保護下に入れる前にマウント操作を実行することを強くお勧めします。さらに、LifeKeeper for Linux NFS Server Recovery Kit によって現在保護されているファイルシステムをマウントする場合は、NFS Server 階層を作成するために使用した IP アドレスを、LifeKeeper NAS サーバへファイルシステム をマウントするために使用することを強くお勧めします。
- スプリットブレイン(つまり、クラスタ内の複数のノードにサービス中の保護された(ISP)階層がある)に関連する問題が発生しないようにするため、エクスポートしたファイルシステムへアクセスするために使用する同じネットワーク上のクラスタ内のノード間に、通信パスの 1 つを確立することを強くお勧めします。この推奨事項に従わないと、通信パスの障害が発生したときに、複数のノードで階層が ISP スプリットブレインになる可能性があります。スプリットブレインのシナリオからリカバリーするには、1 つの ISP 階層を除いたすべての階層をサービス休止状態にします。これにより、1 つのノードのみが、エクスポートされたファイルシステムへアクセスできるようになります。
- NAS 階層をビルドするために使用するビルトインファイルシステムのリカバリーキットでは、フェイルオーバ条件でマウントされたファイルシステムを使用 している LifeKeeper 保護下に入っていないプロセスを検出したり、除去したりすることはできません。そのため、LifeKeeper 保護下に入れるプロセスのみが、NAS 保護下のファイルシステムを使用するように設定することを強くお勧めします。
- LKNFSTIMEOUT という調整可能パラメータは、NFS マウントファイルシステムのステータスを判別するときに NAS Recovery Kit が使用するタイムアウトを秒単位で表します。この調整可能パラメータのデフォルト値は、2 分に設定されます。 LKNFSSYSCALLTO という調整可能パラメータは、マウントポイントのステータスを判別するときにアラームがシステムコールを中断するように NAS Recovery Kit が使用するタイムアウトを秒単位で表します。下記の式を使用して、この調整可能パラメーターの値を判別します。LKNFSSYSCALLTO の 3 倍の値に 5 を加算した値が、LKNFSTIMEOUT の値より小さくなければなりません。
- 調整可能パラメータ LKNASERROR は、NAS デバイスへのアクセスが失敗したときに NAS Recovery Kit が実行するアクションを制御します。調整可能パラメータには、2 つの 値( switch および halt )があり、 switch がデフォルトです。値が switch に設定され、アクセスが失敗すると、NAS Recovery Kit は障害の検出時に、バックアップ・サーバへのリソース階層の転送を開始します。バックアップサーバーへのリソース階層の転送試行は、NAS リソースより上にあるリソースが NAS ファイルシステム上の項目へアクセスしようとすると、停止する場合があります。この問題を回避するには、調整可能値を halt に設定します。これにより、アクセス障害が検出されると、即時にシステムが停止します。このアクションによって、バックアップサーバへのすべてのリソース階層のフェイルオーバが強制されます。
- ノード障害(すべてのコミュニケーションパスがダウンする)によるスプリットブレインが発生しないように、STONITH デバイスや Quorum/Witness パッケージの使用を推奨します。スプリットブレインが発生して、クラスタ内の複数のノードで NAS リソースが in service になるとデータ破損を引き起こす可能性があります。詳細は、LifeKeeper for Linux のテクニカルドキュメンテーションを参照してください。
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