IIS では、1 つのクラスタ内の各サーバで複数の Web/FTP サイトと SMTP 仮想サーバを動作させることができます。1 つのシステムで許可される (または必要とされる) IIS ソフトウェアのインスタンスは 1 つのみです。Web サイト、FTP サイト、および SMTP 仮想サーバは、LifeKeeper によって個別に保護し、管理することができます。以下の説明では「サイト」という用語で Web サイト、FTP サイト、および SMTP 仮想サーバを総称的に示します。
次の図は、Web サーバの標準構成を図示したものです。
この構成では、各サーバに 2 つの Web サイト、すなわち、1 つのプライマリ Web サイトと 1 つのバックアップ Web サイトがあります。サーバ1 には WebSite1 のプライマリインスタンスと WebSite2 のバックアップインスタンスがあります。サーバ2 は逆の構成、つまり WebSite2 のプライマリインスタンスと WebSite1 のバックアップインスタンスの構成になっています。ある特定のサーバでユーザ要求のサービスを実際に行うのは Web サイトのプライマリインスタンスのみです。
また、サーバ 1 には、FTP サイトという名前を持つ FTP サイトのプライマリインスタンスと SMTPvs という名前を持つ SMTP 仮想サーバのバックアップインスタンスがありますが、サーバ 2 には FTP サイトのバックアップインスタンスと SMTP 仮想サーバのプライマリインスタンスがあります。
プライマリの Web サイトがユーザ要求のサービスを中止すると、LifeKeeper は、バックアップサーバ上のバックアップインスタンスをアクティブにして、サービスを引き継がせます。そのため、サーバ1 の WebSite1 に障害が発生すると、LifeKeeper はサーバ 2 にある WebSite1 バックアップインスタンスをアクティブにします。このスイッチオーバの後に、サーバ2 で 2 つのアクティブインスタンスが動作します。障害が発生した Web サーバの問題を解決した後、サービスをサーバ 1 に戻すことができます。LifeKeeper Microsoft IIS Recovery Kit では、サービスを手動でスイッチバックできるほか、LifeKeeper の自動スイッチバック機能を使用できます。
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