以下の注意事項と制約事項は、本バージョンの Software RAID Recovery Kit に適用されます。
起動中の仮想デバイスのアクティベート
共有ストレージ上の仮想デバイスは、システムの起動中にアクティベートしてはなりません。
パーシステントスーパーブロック
全ての仮想デバイスは、パーシステントスーパーブロックで構成する必要があります。このスーパーブロックの長さは 4K で、デバイスの終端から 64K 以上 128K 未満で開始する 64K で整列されたブロックとして書き込まれます。この空間は、アプリケーションで使用することができないため、仮想デバイスのプランニング時に考慮する必要があります。注記: MD は、「内部」機能を使用してビットマップで設定できるようになりました。これにより、既に必須であるスーパーブロック内にビットマップが作成されるため、追加の空間、追加の LUN、または追加のファイルシステムは必要ありません。ビットマップは階層に表示されることなく、単に「自動的に」使用されます。詳細については、ドキュメンテーションとリファレンス セクションに記載されている、mdadm(8) と md(4) のマニュアルページを参照してください。
HOMEHOST
新しいバージョンの mdadm に搭載されている HOMEHOST 機能は、LifeKeeper ではサポートされていません。ミラーが HOMEHOST セットを使用して設定されている場合、LifeKeeper はリソースの作成時にエラーとなります。
図 3 に示すように、次のメッセージが表示されます。
「The MD device "/dev/md5" is configured with the unsupported "homehost" setting.」
「Recreate the MD device without homehost set.」
Homehost セットを使用せずに MD デバイスを再作成する
MD デバイスを再作成するには、「--homehost=''」の設定を次のように使用する必要があります。
mdadm --create /dev/md5 --level=1 --raid-devices=2 /dev/sde1 /dev/sdf1 --homehost=''
RAID レベルのサポート
サポートされる RAID レベルは、リニア、RAID 1 (ミラーリング)、RAID 10 (ストライプトミラー) です。
スペアのサポート
スペアコンポーネントは、特定の仮想デバイスの要素としてサポートされています。「spare-group」はサポートされていません。
Raw I/O および全ディスクのサポート
図 1 はファイルシステム配下にある仮想デバイスを示しています。Software RAID Recovery Kit を LifeKeeper Raw I/O Recovery Kit と組み合わせて使用した場合、仮想デバイスへの raw アクセスをサポート可能であることは重要です。このとき、1 つ以上のディスクパーティション (例: /dev/sdc1) ではなく、1 つ以上の全ディスク (例: /dev/sdc) で構成される仮想デバイスを管理できます。
仮想デバイスのパーティショニング
Linux Software RAID は、仮想デバイスの直接パーティショニングをサポートしていません。個人によって、パーティショニングのサポートを追加する試みがいくつかなされましたが、md ドライバの管理人はこれを許可しませんでした。直接パーティショニングの代わりに、上述のドキュメンテーションとリファレンス の Software RAID HowTo セクションでは、LVM の使用を推奨しています。図 6 は、LVM を使用した階層を示しています。
MD_ASSEMBLE_OPTIONS
本バージョンの Software RAID Recovery Kit では、パラメータ “--run” は、ラーをアセンブル (開始) するために使用する mdadm コマンドから除外されています。このパラメータは、mdadm がコンポーネントの状態を把握できない一部のエラー状況において必要になります。この不確かさにより、データが壊れる可能性があるため、デフォルトでは、このパラメータはもう使用されません。In Service の強制ミラーが試行される前は、エラーは次のように表示されます。
Tue Apr 27 11:46:02 EDT 2010 restore: BEGIN restore of "md23051" on server "shrek.sc.steeleye.com"
Tue Apr 27 11:46:06 EDT 2010 restore: start: mdadm: failed to add /dev/sdc1 to /dev/md1: Invalid argument
mdadm: /dev/md1 assembled from 0 drives – not enough to start the array
推奨はしませんが、このパラメータは、MD_ASSEMBLE_OPTIONS=--run のように LifeKeeper のデフォルトに追加することで使用できます (これで、アセンブル時に毎回使用されるようになります)。その代わりに、クラスタ内のログを確認して最も良いデータを持つコンポーネント/レッグを特定し、mdadm を使用して手動でミラーをアセンブルすることを推奨します。
注記: 一部のシステム (RHEL 6 や RHEL 7 を実行しているシステムなど) では、起動時に自動的にミラーを開始する設定ファイル (/etc/mdadm.conf) に AUTO エントリがあります (例: AUTO +imsm +1.x -all)。LifeKeeper では、ミラーを自動的に開始しないようにする必要があるので、このエントリを編集し、起動時に自動的に開始しないように指定する必要があります。前の例 (AUTO +imsm +1.x -all) は、imsm メタデータおよび 1.x メタデータから他のすべてを除いたものを使用して作成したミラーを自動的に開始するようにシステムに指示しています。このエントリを「AUTO -all」に変更し、あらゆるもの「マイナス」すべてを自動的に開始するように(つまり、何も自動的に開始されないように)システムに通知する必要があります。
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