SIOS では、バックアップインターフェースが必要な場合、すべての LifeKeeper リリースに含まれる標準 Linux の NIC ボンディングメカニズムを使用してボンディングしたインターフェースを使用することを推奨しています。LifeKeeper のリリース 7.4.0 から、ボンディングしたインターフェースがサポートする唯一の方法になりました。7.4.0 以前のリリースでは、後述の IP キットのバックアップインターフェース機能を使用できます。

IP ローカルリカバリ機能を使用すると、IP Recovery Kit が障害を検出したときに、LifeKeeper は、保護している IP アドレスを、設定されているインターフェースから同一サーバ上の別のインターフェースに移動できます。ローカルリカバリはオプションのバックアップ方式を提供するので、サーバで特定のインターフェースに障害が発生した場合、保護している IP アドレスをバックアップインターフェースで動作可能にできます。このため、アプリケーション/リソース階層全体がバックアップサーバにフェイルオーバすることを防ぐことができます。 

ローカルリカバリのシナリオ

IP ローカルリカバリを使用すると、サーバ上で LifeKeeper が保護する各 IP アドレスについて、バックアップネットワークインターフェースを 1 つ指定できます。バックアップインターフェースが正しく動作するためには、プライマリインターフェースと同じ物理ネットワークに接続する必要があります。システム管理者は、有効なインターフェースが選択されていることを確認する必要があります。バックアップインターフェースをあるサーバに指定し、クラスタ内の他のサーバには指定しないことには、正当性があります。選択されたあるサーバ上のバックアップインターフェースは、他のサーバ上のバックアップの選択に影響を与えません。

IP Recovery Kit によって IP アドレスの障害が検出されると、結果として生じる障害によって IP ローカルリカバリスクリプトが起動されます。LifeKeeper は最初に、その IP アドレスを現在のネットワークインターフェース上で In Service に戻そうとします。この動作に失敗した場合、LifeKeeper はリソースインスタンスをチェックして、使用可能なバックアップインターフェースの有無を調べます。使用可能なバックアップインターフェースがある場合、IP アドレスをバックアップインターフェースに移動しようとします。ローカルリカバリの試行がすべて失敗した場合、LifeKeeper は IP アドレスとすべての依存リソースをバックアップサーバにフェイルオーバします。

バックアップインターフェース名は、IP リソースインスタンスの情報フィールドに指定できます。情報フィールドの値はスペースで区切り、プライマリサーバ名、ネットワークインターフェース名、IP アドレス、ネットマスク、バックアップインターフェース名の順に指定します。例を示します。

ServerA eth0 172.17.106.10 fffffc00 eth1

バックアップインターフェースを設定しない場合、5 番目のフィールド値を none に設定してください。  

保護している IP アドレスがバックアップインターフェースに移動すると、2 番目と 5 番目のフィールド値が入れ替えられ、元のバックアップインターフェースがプライマリになり、元のプライマリインターフェースがバックアップになります。この結果、LifeKeeper の起動時、スイッチオーバ時、およびフェイルオーバ時には、LifeKeeper は常に最後に設定されたインターフェースで IP アドレスを In Service にしようとします。

コマンドラインの操作

LifeKeeper for Linux v3.01 以降では、既存の IP リソースインスタンスにバックアップインターフェースを追加したり削除したりする機能は、コマンドラインユーティリティとして提供されています。この機能は、lkipbu ユーティリティが提供します。コマンドと構文は以下のとおりです。

lkipbu [-d machine] -{a|r} -t tag -f interface

このインスタンスについてバックアップインターフェースがすでに定義済みの場合、または不正なインターフェース名が指定された場合、 add 動作 (-a オプションで指定) は失敗します。指定したインターフェースが、このDataKeeperの現在のバックアップインターフェースでない場合、削除動作 (-r オプションで指定) は失敗します。

コマンドライン操作で、IP アドレスをバックアップインターフェースに手動で移動することもできます。この操作は、以下の構文で -m オプションにより指定します。

lkipbu [-d machine] -m -t tag

このインスタンスについてバックアップインターフェースが設定されていない場合、この操作は失敗します。指定したリソースインスタンスが現在 In Service である場合、現在のインスタンスから IP アドレスを設定解除する ipaction remove 動作、および IP アドレスをバックアップインターフェースに設定する ipaction restore 動作を使用して、移動が実行されます。移動後、 execute_broadcast_ping の機能を使用して新しいインターフェース上にあるアドレスの動作が確認され、正常に動作している場合は、IP リソースインスタンスの INFO フィールドにあるインターフェースの値が入れ替えられます。このコマンドの実行時に、指定した IP リソースインスタンスが Out of Service である場合、 INFO フィールドのプライマリとバックアップのインターフェースの値が単純に入れ替えられます。

lkipbu ユーティリティには、指定した IP リソースインスタンスについて現在指定されているプライマリとバックアップのインターフェース、およびプライマリインターフェース上のリソースの状態 (動作中または停止) を取得するオプションもあります。この操作は、以下の構文で -s オプションにより指定します。

lkipbu [-d machine] -s -t tag

出力は、以下のようになります。

IP address: 172.17.106.10

Netmask: 255.255.252.0

Primary interface: eth0 (up)

Backup interface: eth1

詳細については、lkipbu(8) のマニュアルページを参照してください。

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