Software RAID (md) による処理

Multiple Device ドライバ (md) は、現在、主要な Linux ディストリビューションすべてに含まれている標準の Linux Software RAID 製品です。Linux Software RAID を使用すると、複数の物理ディスクやディスクパーティションをグループ化して、仮想デバイスを構成できます。仮想デバイスは、標準のブロックデバイスとしてアクセスできます。そのため、ブロックデバイスを直接扱うことのできるファイルシステムや任意のアプリケーションによって使用できます。

Software RAID は、主に、ハードウェア RAID (またはストレージレプリケーション) が現実的ではないか、実現不可能である場合にデータの冗長性を提供します。次の図は、Software RAID エンティティ間の関係を示しています。ファイルシステムまたはアプリケーションは、仮想デバイスを使用します。仮想デバイスは、1 つ以上の物理ディスクパーティションまたはディスクの集合です。

Figure 1: Software RAID エンティティ間の関係

以下の図 2 において、書き込みは、シングルパスミラー内の両方のアレイに書き込まれます。これは、高価なストレージレプリケーションの代替となる MD の第一の機能です。 

図 2:シングルパスの MD の設定

LifeKeeper for Linux Software RAID (md) Recovery Kit

LifeKeeper Software RAID (md) Recovery Kit は、その他の LifeKeeper リカバリキットが Linux Software RAID 仮想デバイスと正常に連携するために必要なサポートを提供します。このサポートを実現するために、Software RAID Recovery Kit は、2 つの新しいリソースタイプ、md および mdComponent をインストールします。これらは、仮想デバイスと、仮想デバイス内に設定された各パーティションまたはディスクに対応しています。md と mdComponent リソースは、LifeKeeper リソースを動作できるようにするという、内部的な目的のためのみに存在しています。

mdComponent リソースを使用すると、Software RAID Recovery Kit は、仮想デバイス内の各個別コンポーネントの状態を提示できます。

ISP – コンポーネントは、仮想デバイス内で正しく設定されており、正常に動作しています。

ISU – コンポーネントはスペアデバイスです。デバイスが仮想デバイスにホット追加された場合、デバイスがリストア中にもスペアとして反応することに注意してください。

OSU – コンポーネントは、仮想デバイス内に設定されていません。これは、コンポーネントが仮想デバイスから削除された場合に発生することがあります。仮想デバイスに障害の発生したコンポーネントがあり、設定解除 (停止) し、再設定 (アセンブル) すると、その障害の発生したコンポーネントは、設定済みのデバイスとしては表示されません。つまり、障害が発生したデバイスとして表示されるのではなく、未設定のデバイスとして表示されます。

OSF – コンポーネントに障害が発生しています。 注記 : この状態でメール通知を受け取る場合、lk_confignotifyalias(8) を使用してこのオプションを有効にします。

図 1 に示すように、仮想デバイス md0 は、2 つのディスクパーティション、sda1 と c1d0p1 で構成されています。これは、RAID-1 ミラーを反映している可能性があります。仮想デバイスを含む一般的な LifeKeeper 階層は、図 1 に示す関係に非常に近いようです。実際の LifeKeeper 階層の例については、LifeKeeper Software RAID 階層の作成と管理 セクションの図 4 を参照してください。

Software RAID Recovery Kit は、mdadm パッケージで提供される mdadm(8) コマンドを使用して、LifeKeeper 階層内の仮想デバイスリソースを管理します。仮想デバイスは、フェイルオーバやスイッチオーバ動作中に階層が InService になったときに設定 (またはアセンブル) され、階層が Out of Service のときは設定解除 (または停止) されます。

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