Azure で 2ノードのファイルサーバーのフェールオーバークラスターインスタンスを構築するには、Azure Resource Manager をベースにした基本的な仮想ネットワークと、ドメインコントローラーとして設定された少なくとも 1台の仮想マシンが稼働していることを前提とします。仮想マシンとドメインコントローラーを設定したら、クラスター内の 2つのノードとして動作する 2つの仮想マシンをプロビジョニングします。
本ガイドで使用する環境は以下のようになります。
- DC1 – ドメインコントローラーとファイル共有監視
- VM-1 および VM-2 – ファイルサーバークラスターの 2つのノード。本ガイドでは、ファイルサーバークラスターを構築しています。別のステップバイステップガイドでは、SQL Server クラスター構成について説明しています。
クラスターを作成する
両方のクラスターノード(VM-1 と VM-2)がプロビジョニングされ、プロビジョニングされたドメインコントローラーに追加されたので、クラスターを作成できるようになりました。ただし、クラスターを作成する前に、すべてのクラスターノードでフェールオーバークラスタリング機能を有効にする必要があります。有効にすると、クラスターを構築する準備が整います。本ガイドに記載している手順のほとんどは、PowerShell と GUI の両方で実行できます。最初のステップでは、PowerShell の使用をお勧めします。
クラスターがフェールオーバークラスターマネージャー GUI を介して作成された場合、重複した IP アドレスが割り当てられますが、Azure VM は DHCP を使用する必要があります。Azure ポータルで「静的 IP」VM を指定することにより、DHCP 予約が作成されます。ただし、真の DHCP 予約でその IP アドレスは DHCP プールから削除されるため、これは正確には DHCP 予約ではありません。
Azure ポータルで静的 IP アドレスを指定すると、VM が要求したときに IP アドレスがまだ利用可能な場合、Azure はその IP アドレスを割り当てます。しかし、VM がオフラインで、別のホストが同じサブネットでオンラインになった場合、同じ IP アドレスが発行される可能性があります
Azure での DHCP の実装には、別の副作用もあります。Windows Server フェールオーバークラスター GUI を使用してクラスターを作成する場合、クラスターの IP アドレスを指定するオプションはありません。代わりに、DHCP に依存してアドレスを取得します。DHCP は重複した IP アドレス、通常は新しい IP アドレスを要求するホストと同じ IP アドレスを発行します。クラスターのインストールは完了しますが、エラーが発生する可能性があり、Windows Server フェールオーバークラスターを別のノードから実行する必要がある場合があります。実行後、コアクラスターの IP アドレスを、ネットワークで現在使用されていないものに変更する必要があります。
このような状況を回避するには、PowerShell を使用してクラスターを作成し、PowerShell コマンドの一部としてクラスターの IP アドレスを指定してクラスターを作成します。クラスターは、次のように New-Cluster コマンドを使用して作成できます。
クラスターの作成が完了したら、次のコマンドを実行してクラスターを検証します。いくつかのストレージおよびネットワークの警告が出ることが予想されますが、警告は無視して構いません。
クォーラム監視を作成する
前述の通り、Windows 2016 または 2019 を使用している場合は、クラスター クォーラム用にクラウド監視を作成する必要があります。Windows Server 2012 R2 または Windows Server 2008 R2 を使用している場合は、ファイル共有監視を作成する必要があります。作成手順については、 こちら を参照してください。
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