SIOS Protection Suite の階層は、リソースに親子関係を割り当てて定義します。リソースが複数の親を持つ場合、階層の全ルートを表示しても、親リソースを簡単に見つけられません。階層の整合性を保持するために、SIOS Protection Suite は優先度の変更を全クラスタサーバに反映します。GUI は、 [OK] または [適用] がクリックされると、選択された階層の全ルートを表示して、優先度を統一することを要求します。この時点では、すべてのルートを受け入れるか、操作を取り消します。ルートの一覧を受け入れると、新しい優先度が階層内の全リソースに適用されます。
[リソースプロパティ] ダイアログボックスが表示されている間は、階層に対してその他の変更を行わないでください。 [リソースプロパティ] ダイアログボックスで優先度を編集する前に、SIOS Protection Suite に加えた変更は、このダイアログボックスに動的に反映されます。SIOS Protection Suite で優先度を変更しても、ダイアログボックスの値は変更されません。 [適用] または [OK] をクリックすると、優先度を変更したことを伝えるメッセージが表示されて、操作が一時的に止まります。
複数の優先度を一括して変更し、回復不能なエラーが発生しないように、SPSは 1 回の操作で、サーバ 1 台に 1 件づつ優先度を変更します。また、優先度が競合しないように、ユーザが指定した変更を暫定値として扱います。暫定値として最大値 999 を超える値を許容し、ユーザが優先度を変更している間、暫定値を GUI に表示します。優先度の変更操作が完了すると、暫定値はユーザが要求した値に置換されます。エラーが発生して、優先度がロールバックできない場合、暫定値が残ることがあります。このようなエラーが発生した場合は、次の手順に従って、階層を修復してください。
階層の一貫性を復元する
優先度の変更中にエラーが発生し、操作を完了できなかった場合、優先度に矛盾が生じます。エラーは、システムやコミュニケーションパスの障害など、さまざまな原因で発生します。優先度の変更操作を開始してから、操作を完了する前にエラーが発生し、前の状態にロールバックできない場合、その旨を通知するメッセージが表示されます。こうした状態が発生した場合は、次の手順に従って、階層の一貫性を回復してください。
- 可能な限り、問題の原因を突き止めてください。システムやコミュニケーションパスに障害が発生していないか調べてください。優先度管理プログラムの実行中に、別の操作を同時に実行しなかったことを確認してください。
- 操作を続ける前に、問題を可能な限り解決してください。例えば、階層を復元する前に、障害が発生したシステムやコミュニケーションパスを修復します。
- [リソースプロパティ] ダイアログボックスを使用して、優先度の変更を再試行してください。
- [リソースプロパティ] ダイアログボックスで優先度を変更できない場合は、hry_setpri をコマンドラインから実行して、階層を修復してください。hry_setpri スクリプトを使用すると、GUI を介さずに、サーバごとに優先度を変更できます。
- 修復作業を完了したら、すべてのクラスタサーバに eqv_list コマンドを実行し、各サーバ上の構成データベースが整合していることを確認し、各サーバが返す優先度を調べてください。
- 以上の操作でも階層を修復できない場合は、最後の手段として、階層を削除して再作成してください。
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