SIOS Protection Suite は切り替え可能なローカル IP アドレスを監視し、障害を検出すると、同じシステム上の別のネットワークアダプタに IP アドレスを移動します。切り替え可能な IP アドレスを使用すると、リソース階層全体をバックアップサーバにフェイルオーバすることを回避できます。

IP ローカルリカバリ機能には、システム設定に関する次の要件と制限があります。

IP ローカルリカバリの要件

IP ローカルリカバリでは、サーバ上で SIOS Protection Suite が保護する各 IP アドレスに 1 つ のバックアップネットワークインターフェースを指定できます。バックアップインターフェースを正常に機能させるには、プライマリインターフェースと同じ物理ネットワークに接続する必要があります。システム管理者は有効なインターフェースを選択する必要があります。バックアップインターフェースは 1 台のサーバに指定します。他のクラスタサーバに指定しても意味がありません。つまり、1 台のサーバでバックアップインターフェースを選択しても、他のサーバのバックアップインターフェースの選択には影響しません。

バックアップアダプタはローカルリカバリアダプタとも呼ばれ、プライマリアダプタに障害が発生すると、切り替え可能なアドレスがアクティブになります。バックアップアダプタを設定するには、次の手順に従ってください。

  • 2 つのアダプタを同じ物理サブネットに接続します。
  • ローカルリカバリアダプタの全アドレスは、適切にルーティングできるように、プライマリアダプタの実アドレスと異なる論理サブネット上に置く必要があります。また、プライマリアダプタに設定して SIOS Protection Suite で保護する仮想 IP アドレスとは異なる論理サブネットに置く必要があります。  
  • IP ローカルリカバリ機能を使用するには、ネットワークにゲートウェイを設置します。具体的には、システムの TCP/IP 設定の [デフォルトゲートウェイ] フィールドに、ネットワークゲートウェイのアドレスを指定します。ローカルリカバリアダプタにも同じネットワークゲートウェイを設定します。
  • IP ローカルリカバリ機能は、IP リソースを作成する際に有効にすることができます。IP リソースを作成した後、リソース属性を変更しても、ローカルリカバリ機能を IP リソースに追加できません。
  • IP リソースの IP ローカルリカバリ機能を無効にするには、「ins_setlocalrecovery」 コマンドラインユーティリティを使用してください。このユーティリティは、LifeKeeper の ¥bin ディレクトリ (デフォルトで C:\LK\bin ) に格納されています。このユーティリティの使用方法とオプションの説明を参照するには、コマンドプロンプトから「 ins_setlocalrecovery 」を実行してください。

SIOS Protection Suite 階層に IP アドレスリソースを作成して使用する場合は、 ネットワーク構成の確認 の説明に従ってネットワークを設定し、テストしてください。  

設定が完了したら、ping を打ち、仮想 IP アドレスが一意なことを確認します。仮想 IP アドレスは必須ではありませんが、IP アドレス階層を作成すると、自動的に作成されます。

IP アドレスのリソース階層をプライマリサーバに作成するには、次の手順に従ってください。

  1. サーバを選択します。次に、 サーバコンテキストメニュー または サーバコンテキストツールバー の [リソース階層の作成] をクリックします。
  1. [保護するアプリケーションを作成] ダイアログが起動し、クラスタにインストールされているリカバリキットの一覧が表示されます。 [IP アドレス] をクリックし、 [次へ] をクリックします。
  1. ウィザード の指示に従って、以下の情報を入力します。ダイアログボックスの [戻る] ボタンがアクティブになっているときは、直前のダイアログボックスに戻ることができます。これは特に、前に入力した情報の訂正が必要なエラーが発生した場合に役立ちます。階層の作成手順の間に [キャンセル] をクリックすると、SIOS Protection Suite は作成プロセス全体を取り消します。
フィールド 説明
IP アドレス SIOS Protection Suite がリソースに使用する仮想 IP アドレスを指定します。クライアントアプリケーションは、この IP リソースを使用して、特定のネットワークインターフェースを介して親アプリケーションにログインします。
サブネットマスク TCP/IP リソースがターゲットサーバで使用する IP サブネットマスクを指定します。TCP/IP リソースのアドレスクラスに対応した標準的なネットマスクを指定できます。 注記: TCP/IP リソースが使用するサブネットは、ここで選択したサブネットマスクと前記の IP アドレスによって決まるため、ネットワーク設定を統一する必要があります。
IP リソースタグ

作成している IP リソースインスタンスの一意の IP リソースタグ名を選択するか入力します。このフィールドには、リソース名または IP アドレスに一致するデフォルトのタグ名が自動的に設定されます。タグ名は変更できます。

注意 : タグ名に使用できる文字はASCII印字可能文字のみです。

ネットワーク接続 物理的なイーサネットカードの IP アドレスを指定します。既存のネットワーク設定、および TCP/IP リソースのアドレスやネットマスクの値をもとに、適切なカードを選択します。デフォルト値には、前のダイアログボックスで選択したアドレスとネットマスクに最も近い IP アドレスが使用されます。
ローカルリカバリのネットワーク接続 ローカルリカバリを有効にした場合、バックアップインターフェースとして使用するネットワーク接続を選択する必要があります。バックアップサーバに NIC がなければ、プライマリサーバの NIC を指定します。
  1. データの入力が完了すると、 [次へ] ボタンが表示されます。[次へ] をクリックすると、SIOS Protection Suite はリソース階層の作成と検証を実行します。
  1. リソース階層が正常に作成されたことを伝えるメッセージが表示されたら、 [次へ] をクリックして操作を続けます。問題が発生すると情報ボックスにエラーが表示され、部分的に作成されたリソース階層が削除されて、 [次へ] ボタンが無効になります。その場合は、 [キャンセル] をクリックして、 ウィザード を終了してください。

注記: チーミングソフトウェアを使用するか、仮想 IP リソースを作成した後、ネットワークカードを変更すると、仮想 IP リソースがいったん削除され、ネットワークカードのインデックス番号を反映した IP リソースが再作成されます。

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