SIOS Protection Suite for Windows
バージョン 8.6.3
(Version 8 Update 6 Maintenance 3)
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本製品をインストールまたは使用する前に、必ずこのドキュメントをお読みください!
このドキュメントには、インストール時とその前後に留意すべき重要な項目に関する情報が記載されています。
出版物の品質を維持するために、出版物の正確さ、わかりやすさ、構成、および価値に関するお客様のご意見をお寄せください。
はじめに
このドキュメントは SIOS Protection Suite for Windows 製品のインストールや設定、管理を行う担当者向けのものであり、バージョン要件、説明や手順に対する最新の変更内容、製品の制限事項、既知の問題などの重要な情報が記載されています。SIOS Protection Suite ソフトウェアをインストールして設定する前に、必ずこのドキュメントの内容を確認してください。
SIOS Protection Suite 製品の説明
SIOS Protection Suite for Windows は、ミッションクリティカルデータおよびアプリケーションを保護し、DataKeeper (DK)、LifeKeeper (LK)、オプションのリカバリキットを含む高可用性とデータ複製機能を統合したバンドルソフトウェアです。
LifeKeeper for Windows
LifeKeeper for Windows はミッションクリティカルなアプリケーションに対して世界に通用する信頼性を提供するという SIOS Technology Corp. の伝統を継承しています。LifeKeeper for Windows は、アプリケーションの監視およびリストアを行うために、高可用性プラットフォームに関する 10 年にわたる経験を活用して複数のサーバをクラスタ化する機能をお客様に提供します。障害が発生した場合、LifeKeeper はすべてのネットワークインターフェース、データ、およびアプリケーションを復旧します。復旧は自動的に行われ、クライアントに対しては透過的であるため、ダウンタイムと営業的損失を最小限に抑えます。
LifeKeeper for Windows は、システムまたはアプリケーションの障害時だけでなく、計画したダウンタイム時にも継続的に動作させることができます。LifeKeeper を使用すると、一般的なメンテナンス作業やアップグレードに必要なダウンタイムを大幅に軽減したり、ダウンタイムをなくしたりすることができます。
DataKeeper for Windows
SIOS DataKeeper は、最適化されたホストベースのレプリケーションソリューションとして、ソースサーバから 1 台以上のターゲットサーバにネットワーク経由で可能な限り高速かつ効率的にデータを複製します。
SIOS Protection Suite for Windows Version 8 の新機能
機能 | 説明 |
---|---|
バージョン 8.6.3 の新機能 | |
Queue Current Age (キューの現在の待ち時間)の追加 | このパフォーマンスモニタのカウンタ値は書き込みキュー内の最も古い書き込み要求の経過時間です。 |
全体的なメンテナンス | 下記の バグ修正 を参照してください。 |
バージョン 8.6.2 の新機能 | |
SIOS iQとの統合 | SIOS iQにイベントを配信するDataKeeper Signalパッケージを追加しました。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.6.1 の新機能 | |
Microsoft SQL Server 2017 のサポート | SIOS Protection Suite SQL Server Recovery KitはMicrosoft SQLServer 2017をサポートします。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.6 の新機能 | |
VSS プロバイダ | デフォルトでは SIOS VSS プロバイダーは無効になっています。 |
PostgreSQL のサポート | PostgreSQLデータベースクラスターの保護を提供する、新しいSIOS Protection Suite for WindowsコアのApplication Recovery Kitを追加しました。 |
Windows 2016 のサポート | SIOS Protection Suite for Windowsは、Windows 2016をサポートします。 |
チューニング可能な書き込みキューのバイト制限 | ユーザーは、 WriteQueueByteLimitMB のレジストリ値を変更することにより、ミラーの書き込みキューに割り当て可能な最大バイト数を指定できます。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.5.1 の新機能 | |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.5 の新機能 | |
CHANGEMIRRORTYPE | この EMCMD コマンドを使用して、DataKeeper ジョブの一部であるミラーのミラータイプを変更します。 |
Microsoft SQL Server 2016 のサポート | DataKeeper は Microsoft SQL Server 2016 をサポートします。 |
ビットマップブロックサイズを変更可能 | ユーザーは、BitmapBytesPerBlock レジストリの値を変更して、DataKeeper インテントログ(ビットマップ)のエントリーの実効サイズを変更できます。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.4 の新機能 | |
ターゲットビットマップファイル | ターゲットの書き込みがビットマップファイルで追跡されるようになりました。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.3 の新機能 | |
DataKeeper の通知アイコン | DataKeeper の通知アイコンは、Windows の通知トレイで DataKeeper ミラーのサマリを表示します。また、DataKeeper ミラー管理のショートカットとして、使用可能です。 |
Oracle 12c と Oracle 12c Standard Edition 2 | SIOS Protection Suite for Windows Version 8.3 以降、Oracle 12c および Oracle 12c Standard Edition 2 (ASM およびpluggable database を除く) をサポートします。 |
Powershell cmdlet サポート | ジョブの作成、ミラーの作成、ジョブの削除、ミラーの削除、または DataKeeper (New-DataKeeperMirror、 New-DataKeeperJob、Remove-DataKeeperMirror、Remove-DataKeeperJob, Add-DataKeeperJobPair, Get-DataKeeperVolumeInfo) で使用されるボリュームについての情報を取得するのに Powershell cmdlet が使用可能になりました。 |
mirrorcleanup.cmd | このコマンドは、ローカルシステム上のみで、選択されたボリュームの残りすべてのミラーを削除します。SIOS サポートによって推奨された場合のみ実行してください。 |
DKHEALTHCHECK | ステータスと問題の識別ツールをサポートしました。基本のミラーステータスと問題検知のためのコマンドラインインターフェースを提供します。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.2.1の新機能 | |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.2の新機能 | |
Microsoft SQL Server 2014 のサポート | LifeKeeperバージョン8.2以降でMicrosoft SQL Server 2014 がサポートされます。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.1 の新機能 | |
Microsoft Windows Server 2012 R2のサポート | LifeKeeper バージョン 8.1 以降で Windows Server 2012 R2 がサポートされます。 |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.0.1 の新機能 | |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
バージョン 8.0 の新機能 | |
全体的なメンテナンス | バグ修正 |
SIOS Protection Suite for Windows v8 で廃止になった機能
機能 | 説明 |
---|---|
本リリースで廃止になった機能 | |
データリワインド | SPS for Windows からリワインド機能を削除しました。 |
バグの修正
以下に、最新のバグの修正および機能強化のリストを示します。
バグ | 説明 |
---|---|
4236 | DataKeeperビットマップを含むボリュームでミラー作成を許可しないようにしました |
4248 | 「ページングファイルの自動管理」システム設定を検出するようにしました |
4325 | LifeKeeper をアンインストールした後も null ファイルが残る問題を解決しました |
4329 | Oracle リカバリーキットで使用するOracle管理者のパスワードに "@" を利用できるようにしました |
4335 | "FreeLibrary()" を使用して "LoadLibrary()" ハンドルをクリーンアップします |
4372 | ターゲットスナップショットが失敗する問題を解決しました |
4373 | DataKeeper のインストーラから DataKeeper シグナルパッケージを削除しました |
4374 | SQL Server リカバリーキットのディープチェックにおいて SQL Server のバージョンが確認できない場合に障害と判定する場合がある問題を解決しました |
Hot Fixes と Add-on サポートパッケージ
パッチの提供に関しては、SIOS テクニカルサポートにお問い合わせください。また、パッチに添付されている Readme ファイルは英語版のみの提供です。
LKW_PW4407_CygwinUpdate/ | LK を実行すると、LKROOT ツリー全体に “NUL:” という名前のファイルが作成されます。 これは、ksh が “NUL:” にパイプする場合にそのファイルを作成するためです。これは、ほとんどすべてのスクリプトで行われます。 | このパッチは、LK-W スクリプトが NUL: という名前のファイルを開こうとしたときに発生する不具合に対応するものです。 |
製品要件
オペレーティングシステム
重要: SIOS Protection Suite を実行するすべてのサーバでローカル管理者権限を持ったドメインアカウントを使用することを推奨します。ローカルアカウントを使用している場合、ユーザ名およびパスワードは SIOS Protection Suite を実行するすべてのサーバで一致しなければなりません。これはすべてのエディションおよびすべてのプラットフォームに該当します。
注記: クラスタ内のすべてのサーバで同一バージョンの Windows を実行してください。
製品 | オペレーティングシステム | 追加ソフトウェア |
---|---|---|
SIOS Protection Suite (サーバコンポーネント) |
SPS サポートマトリックス を参照 | なし |
SIOS Protection Suite (ユーザインターフェース) |
SPS サポートマトリックス を参照 | MMC 3.0 - こちらからダウンロードしてください。 support.microsoft.com/kb/907265 |
仮想環境 | 上記のオペレーティングシステムは以下の仮想プラットフォーム上で動作するゲストとしてサポートされています。
|
|
上記の OS プラットフォームすべての 64 ビットバージョン (x64。Itanium を除く) がサポートされます。 |
Windows 2008 R2、 2012、2012R2 および2016の要件
SIOS Protection Suite を Windows 2008 にインストールするとき、以下に説明するようにシステム設定を変更するかどうかを確認するダイアログボックスが表示されます。インストーラで変更できない場合は、インストールが終了してから手動で変更する必要があります。
Distributed Link Tracking Client を 無効 にする
SIOS Protection Suite for Windows および Microsoft FTP Service 7.5 for IIS 7.0 を実行するシステムの場合は、Windows 2008 R2 以降が必要です。
さらに、Windows 2008 R2、2012、2012R2、および2016 サーバがドメイン内にない場合は、ローカルセキュリティポリシー設定 [ネットワークアクセス: Everyone アクセス許可を匿名ユーザーに適用する] を有効にする必要があります。サーバがドメイン内にある場合、この設定は必要ありません。
SIOS Protection Suite の要件
以下の表に、SIOS Protection Suite core およびリカバリキットに該当する要件を示します。
Core | 要件 |
---|---|
SIOS Protection Suite のライセンス | SIOS Protection Suite を実行するサーバごとに 1 つのライセンスが必要です。これは物理サーバおよび仮想サーバの両方に適用されます。 |
LAN Manager リカバリキット | 「 Microsoft ネットワーク用ファイルとプリンタ共有 」コンポーネント (lanmanserver) を Windows サーバにインストールする必要があります。NetBIOS も有効にする必要があります。そうしないと、LAN Manager リソースは起動しません。 |
メモリ要件 | SIOS Protection Suite for Windows をサポートするシステムに必要な最小メモリ容量は、使用しているオペレーティングシステム のメモリ要件に基づいて決まります。ユーザアプリケーションを実行するには SIOS Protection Suite に必要なメモリ以外に追加のメモリが必要です。 |
GUI | ポート: SIOS Protection Suite は、GUI サーバと GUI クライアントの間の Remote Method Invocation (RMI) 通信にポート 82 を使用します。 既存のアプリケーションと競合する場合、これらのポートを変更するには、SIOS\LIFEKEEPER\JAVAGUI\SERVER レジストリキーの RMI_PORT または WEB_PORT エントリを編集します。 |
オプションのリカバリキット
SIOS Protection Suite とオプションの SIOS Protection Suite リカバリキットを連携させるにはソフトウェアライセンスキーが必要です。
ARK 名 | バージョン名/要件 |
---|---|
Microsoft SQL Server リカバリキット | SPS サポートマトリックス を参照 |
Oracle リカバリキット | SPS サポートマトリックス を参照 |
GUI の要件、プラットフォーム、およびブラウザ
LifeKeeper を使用するには、各サーバに Java Runtime Environment (JRE) をインストールする必要があります。32 ビットの Windows JRE 1.8.0_101 が SIOS Protection Suite Core ソフトウェアとともにインストールされます。JRE 1.8.0_101 は LifeKeeper GUI サーバおよび GUI アプリケーションコンポーネントについて十分にテストされています。
SIOS Protection Suite クラスタの外部のシステムから SIOS Protection Suite を管理するには、SIOS Protection Suite Web クライアントを実行します。以下の表に、SIOS Protection Suite Web クライアントがサポートされるプラットフォームとブラウザのリストを示します。サーバの場合と同様に JRE 1.8.0_101 でテストしていますが、将来の JRE の更新でもクライアントは同様に動作するはずです。クライアントの JRE を更新してもそのマシンにしか影響しないので、安全性のテストはサーバの JRE を更新する場合ほど危険ではありません。コミットする前に更新をテストし、問題が発生した場合にはロールバックする準備をしておくことを推奨します。
オペレーティングシステム | Internet Explorer 5.5+、6.0 | Internet Explorer 7.0、8.0 | Internet Explorer 9.0 | Internet Explorer 10.0 | Internet Explorer 11.0 | Mozilla Firefox 1.5、2 | Mozilla Firefox 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Windows 2016 | X | X | |||||
Windows 2012 R2 | X | X | |||||
Windows 2012 | X | X | |||||
Windows 2008 R2 | X | ||||||
Windows 7 | X | ||||||
Linux | なし | なし | なし | なし | なし | X | X |
注記: SIOS Protection Suite Web クライアントはその他の最新のプラットフォームおよびブラウザで動作すると思われますが、SIOS Technology Corp はテストしていません。
SIOS Protection Suite for Windows のインストールと削除
SIOS Protection Suite for Windows は InstallShield を使用して標準のインストールインターフェースを提供しており、 標準 、 コンパクト 、 カスタム のインストールを選択できます。SIOS Protection Suite ソフトウェアのインストール、削除、またはアップグレードの詳細については、SIOS Protection Suite インストレーションガイド を参照してください。
重要
|
技術的な注意事項
lkstart
このプログラムは、LifeKeeper が実行されていない場合に現在のシステム上で LifeKeeper を起動します。 lkstart 実行すると、LifeKeeper デーモンが停止した場合に再起動されるように、LifeKeeper デーモンに属する %LKROOT%\etc\LKinit.config ファイルのエントリが修正されます。
–w オプションを使用すると、タイムアウト間隔を変更できます。waitperiod には、秒数を指定します。起動前の wait period (待機時間) を指定するには –w 引数を使用します。
LifeKeeper サービスは、管理ツールにある Microsoft Services mmc を使用して起動することも、コマンドプロンプトから “sc start LifeKeeper” または “net start LifeKeeper” のいずれかを使用して起動することもできます。
注記: このプログラムはコンソールから実行する必要があります。
SIOS Protection Suite によって保護されているボリュームで CHKDSK.EXE を実行する
Microsoft では、正常にシャットダウンされなかったボリュームに chkdsk.exe ユーティリティを実行して、ファイルシステムまたはディスクのエラーのチェックと修正を行うことを推奨しています。しかし、エラーの程度によっては、ユーティリティの処理が完了するまでに非常に長い時間がかかる場合があります。 chkdsk でボリュームを完全にチェックするには数時間、または数日かかることもあります。また、ボリュームをチェックしている間にハングする場合もあります。このような理由により、SIOS Protection Suite は保護されているボリュームで chkdsk
ユーティリティを実行しません。SIOS Protection Suite は、ボリュームの使用を開始する前に Microsoft の chkntfs.exe ユーティリティを実行してボリュームに不正がないかチェックします。保護されているボリュームに不正が見つかった場合、SIOS Protection Suite はイベントログにエラーを記録します。
ボリュームリソースを使用しているサーバ上の SIOS Protection Suite によって保護されているボリュームで、管理者が定期的に chkdsk を実行することを推奨します。 chkdsk を実行する前に、ボリュームリソースを使用しているすべてのアプリケーションを終了してください。
システム起動時に CHKDSK.EXE を実行する
LifeKeeper と DataKeeper はボリュームをロックできることが要求されるため、SIOS Protection Suite によって保護されているボリュームで通常、システム起動時に chkdsk ユーティリティを実行するのは適切ではありません。SIOS Protection Suite によって保護されているボリュームを起動時にチェックする必要がある場合は、アクティブノードで以下の手順を実行します。
ミラーボリュームまたは SDRS ボリュームの場合 (1 つのサイトで共有され、リモートサイトに複製される)
"%ExtMirrBase%\emcmd” . getconfiguration <drv> (再起動後に使用するために出力の 1 行目に表示される数を保存)
"%ExtMirrBase%\emcmd" . setconfiguration <drv> 32
"%LKBIN%\lkstop" -f
sc stop ExtMirrSvc
sc config lifekeeper start= demand
sc config ExtMirrSvc start= demand
chkntfs /D
chkntfs /c <drv>
reboot
再起動後に以下の手順を実行します。
sc config lifekeeper start= auto
sc config ExtMirrSvc start= auto
sc start ExtMirrSvc
"%ExtMirrBase%\emcmd" . setconfiguration <drv> (手順 1 で emcmd getconfiguration によって報告された数)
reboot
共有ボリュームの場合
"%LKBIN%\volume" -U <drv>
"%LKBIN%\lkstop" -f
chkntfs /c <drv>
reboot
再起動後に以下の手順を実行します。
"%LKBIN%\volume" -p <drv>
"%LKBIN%\lkstop" -f
"%LKBIN%\lkstart"
複製ボリュームの場合
"%LKBIN%\lkstop" -f
chkntfs /D
chkntfs /c <drv>
reboot
ファイバチャネル上のコミュニケーションパス
共有ストレージを使用して SIOS Protection Suite クラスタを構築する場合、クラスタ内のノード間でコミュニケーションパスを常に使用できるようにしておくことが重要です。コミュニケーションパスは、TCP 通信プロトコルを使用して作成する必要があります。通常、TCP コミュニケーションパスはイーサネットネットワークデバイス上に構築されます。ただし、SIOS Protection Suite では、TCP プロトコルを実行できる接続であればどのような種類でも使用できます。ファイバチャネル SAN を使用して共有ストレージクラスタを作成している場合は、SIOS Protection Suite コミュニケーションパスとしてファイバチャネル SAN を使用することができます (望ましいです)。
QLogic は、QLogic ファイバチャネルストレージアダプタで TCP/IP プロトコルを実行することもできるように、Windows 用のミニポートドライバと IP ドライバを提供しています。これにより、QLogic ファイバチャネルアダプタは、実質的にストレージアダプタおよびネットワークアダプタとして動作できるようになります。このドライバが用意されていれば、QLogic カードは他のネットワークカードと同様に、標準のネットワーク設定技法を使用して設定できます。
QLogic のドライバは、以下の Web サイトからダウンロードできます。
http://driverdownloads.qlogic.com/QLogicDriverDownloads_UI/DefaultNewSearch.aspx
SIOS Protection Suite で iSCSI ストレージを使用する
iSCSI ストレージを共有ストレージとして使用して、SIOS Protection Suite で保護することができます。共有ストレージ環境では、すべてのサーバイニシエータがそのディスクにアクセスできるように iSCSI ターゲットデバイスを設定する必要があります。iSCSI ストレージデバイスのベンダは、iSCSI デバイスの設定に必要なインターフェースとコマンドを提供しています。Microsoft iSCSI Initiator サービス (MSiSCSI) への依存関係を LifeKeeper サービスに追加する必要があります。これにより、LifeKeeper が共有ボリュームにアクセスしようとする前に、そのボリュームを使用できるようになります。
LifeKeeper サービス用に MSiSCSI への依存関係を作成するには、レジストリエディタ “regedt32.exe” を使用して、 HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LifeKeeper で LifeKeeper サービスを表すサブキーを選択します。サービスキーは "DependOnService" という値名で "EISM" という値を 1 つ持っています。値名 "DependOnService" をダブルクリックして編集のために開きます。ダイアログボックスが表示されたら、新しい行に Microsoft iSCSI Initiator サービスのサービス名 "MSiSCSI" を追加して、 [OK] をクリックします。
依存関係が作成されたことを確認するには、_[管理ツール] > [サービス]_ から MMC スナップインを開きます。LifeKeeper サービスに移動してダブルクリックすると [プロパティ] ダイアログボックスが表示されます。ダイアログボックスが表示されたら、 [依存関係] ページに移動して、 [このサービスが依存するシステムコンポーネント] フィールドに "LifeKeeper External Interface" と共に "Microsoft iSCSI Initiator" サービスがリストされていることを確認します。
クイックチェックとディープチェックのシステム負荷に関する考慮事項
SIOS Protection Suite は、システム内の保護対象リソースごとに個別の監視用スレッドを起動します。これらのスレッドは互いに独立して動作します。通常、 Quickcheck と Deepcheck のスクリプト実行によるシステム負荷はランダムに分散されます。SIOS Protection Suite は、 Quickcheck と Deepcheck が同一リソースに対して同時に実行されるように予定されている場合に、 Quickcheck の実行をスキップすることでリソース監視による負荷を分散するという処理も行っています。ただし、チェックの負荷はランダムに分散されるため、リソース監視によるシステム負荷がピークに達することがあります。システム内で保護されるリソースが増えるほど、ピークが大きくなり、ピークに達する頻度も高くなります。ピークが最大になるのは、LifeKeeper を起動して、アクティブなリソースごとの Deepcheck スクリプトを最初に起動するときです。サーバがこの最初の負荷のピークを適切に処理できる場合は、その後パフォーマンスに関する問題が発生することはありません。
VSS シャドウコピー
SIOS Protection Suite で VSS シャドウコピーをサポートするには、SIOS Protection Suite によって保護されているボリュームにシャドウコピーを保存しないようにする必要があります。ただし、保護されていない別のボリュームにシャドウコピーを保存することはできます。
制限事項と既知の問題
制限事項
SCVMM 2012
SCVMM 2012 で DataKeeper を使用する場合は、SCVMM 2012 SP1 を使用する必要があります。
Microsoft Failover Clustering がインストールされたサーバ
Microsoft Cluster Server 機能または Microsoft Failover Cluster 機能がインストールされた Enterprise クラスサーバまたは DataCenter クラスサーバでは、SIOS Protection Suite はサポートされません。同一グループのサーバに 2 つの「クラスタ化」ソリューションを展開しないでください。この制限の一部として、Microsoft Failover Cluster Virtual Adapter (Virtual NIC) でホストされる IP アドレス (169.254.xxx.xxx) を使用した場合、LifeKeeper コミュニケーションパスは機能しません。
FAT ファイルシステムのサポート
SIOS Protection Suite では、FAT ファイルシステムまたは FAT32 ファイルシステムを使用するボリュームの保護はサポートされません。
フォールトトレラントディスクセット
SIOS Protection Suite 複製ボリュームは Windows フォールトトレラントディスクセット (ソフトウェア RAID) を使用してサポートされますが、SIOS Protection Suite 共有ボリュームは Windows フォールトトレラントディスクセットと互換性がありません。フォールトトレラントディスクセットは動的ディスクでセットアップする必要があり、動的ディスクは 2 つのシステム間で共有できません。
ファイル共有リカバリキット
ファイル共有リカバリキットは、アクティブドメイン環境でのみサポートされ、ワークグループ環境では動作しません。ローカルユーザ ID は元のローカルシステムでのみ有効なので、ワークグループ環境またはドメイン環境では、ローカルマシンのアカウントに付与されたファイル共有権限はフェイルオーバ時に保持されません。そのため、ローカルユーザ ID は他のシステムでは認識されません。同じローカルユーザ ID を 2 台の異なるマシンで設定した場合でも、異なるアカウントとして扱われます。つまり、ローカルユーザ ID は元のシステムでのみ有効となります。一方、ドメインアカウントは、ドメイン内の任意のシステムで識別され、使用可能です。
システム上で定義されているファイル共有が 9999 を超えている場合、ファイル共有リカバリキットは動作しません。ユーザ定義の共有の合計数が 9999 を超えている場合、SIOS Protection Suite の対象ファイル共有を保護しようとしても失敗します。この制限はファイル共有リソースを編集する場合にも当てはまります。システム上で定義されている共有が 9999 を超えている場合、保護されている共有のリストを変更することはできません。
LAN Manager リカバリキット
Microsoft は、ネットワークインターフェースカードごとに最初の IP アドレスでしか LAN Manager の機能をサポートしません (Microsoft bug SRX#9704116-48)。このため、SIOS Protection Suite によって保護されている IP アドレスでは LAN Manager の機能を使用することができません。したがって、TCP/IP プロトコルを使用してコンピュータの別名に切り替える方法は、クライアントに対して IP アドレスから LAN Manager 名に動的にマップできるようにするしかありません。解決策としては、WINS サーバの使用を推奨します。SIOS Protection Suite サーバ (および保護対象の LAN Manager 名にアクセスするすべてのコンピュータ) を同じ WINS サーバの WINS クライアントにする必要があります。
仮想メモリが少ないとシステムの状態が悪化する
SIOS Protection Suite は必要なときにメモリが使用できることを前提としています。システムの仮想メモリが少なくなっている場合は、すぐにその状態を解消する必要があります。
仮想メモリ不足により通信機能などシステム内部の機能の性能が低下したり処理が遅延したりすると、SIOS Protection Suite が誤動作する可能性が非常に高くなります。例えば、TCP/IP 通信リソースの deepcheck によって障害が間違って検出され、バックアップサーバへのリソースのフェイルオーバが発生する可能性があります。
クラスタ内の他のサーバと SIOS Protection Suite との通信性能が低下している場合、手動による切り替えが失敗することもありえます。ただし、これによって、サーバが完全にダウンしたときに保護されたリソースをフェイルオーバする SIOS Protection Suite の機能が影響を受けることはありません。
GUI の相互運用性
LifeKeeper GUI は、Windows サーバ上の SIOS Protection Suite の管理にのみ使用できます。SIOS Protection Suite for Linux のクラスタに_接続_して_監視_できることに注意してください。ただし、リソースの作成、プロパティの編集、サーバのサービス状態の切り替えなどの管理作業は、現時点ではサポートされて いません 。
シリアルポートコミュニケーションパスのサポート終了
SIOS Protection Suite は、バージョン 7.2 において、TTY コミュニケーションパスのサポートを終了しました。SIOS は推奨しませんが、現在 TTY コミュニケーションパスを使用している場合は、以下に示すように /etc/lkinit.config ファイルの TTYCA.EXE の行の「#」を削除することにより、このオプションを再び有効にすることができます。
# … /bin/TTYCA.EXE|-t 1 X X X X X X <=
(TTY コミュニケーションパス無効)
… /bin/TTYCA.EXE|-t 1 X X X X X X <=
(TTY コミュニケーションパス有効)
TTY コミュニケーションパス機能を有効または無効にする場合は、 lkinit.config の編集後に LifeKeeper サービスを停止し、再起動する必要があります。LifeKeeper を停止するには、コマンド {c:\lk}\bin\lkstop.exe –f (c:\lk は LifeKeeper のインストールパス) を実行してください。GUI が停止され、関連するすべてのプロセスが停止されていることを必ず確認してください。LifeKeeper を再起動するには、 {c:\lk}\bin\lkstart.exe と入力します。
TTY 技術は今後使用されなくなります。TTY コミュニケーションパスはサポート対象外で、TCP/IP コミュニケーションパスに差し替える必要があります。
コンソールアプリケーションの管理
Windows Server 2008 以降では、SIOS Protection Suite からのコンソールアプリケーションの起動はサポートされません。Server 2008 において UAC やメモリ管理などのサーバのアーキテクチャとセキュリティが改善されたため、SIOS Protection Suite のようなバックグラウンドプロセスからコンソールアプリケーションを起動することはできません。
Bitlocker は DataKeeper をサポートしない
Microsoft によると、Bitlocker はソフトウェア RAID 構成との連携をサポートしません。DataKeeper は本質的にソフトウェア RAID 1 であるため、Microsoft は Bitlocker と DataKeeper の連携をサポートしません。
詳細については以下を参照してください。
http://technet.microsoft.com/en-us/library/ee449438#BKMK_R2disks
既知の問題
Microsoft SQL Server 2017 オプションサービスについて
SQL Server Launchpad
SQL Server PolyBase Data Movement
SQL Server PolyBase Engine
SQL Server CEIP service
注意: SIOS Protection Suite for Windows v8.6.1 ではこれらのオプションサービスを保護することができません。
既知の問題に関する詳細は SIOS Protection Suite for Windows テクニカルドキュメンテーション の「トラブルシューティング」セクションを参照してください。
よくある質問
SIOS Protection Suite の再インストールまたはリソースの再作成を行わずに、リソースの値も含め SIOS Protection Suite のデータベース設定を変更することは可能ですか。
はい。 lk_chg_value.ksh コマンドを使用してください。
既存の SIOS Protection Suite 階層を旧バージョンの SIOS Protection Suite for Windows から v8 にアップグレードできますか。
既存の SIOS Protection Suite for Windows ソフトウェアを、リソース階層を維持したままアップグレードできます。正しいアップグレード手順については SIOS Protection Suite のアップグレード を参照してください。 注記 : SIOS では SIOS Protection Suite を 2 つ以上前のメジャーバージョンからアップグレードすることをサポートしていません。LifeKeeper for Windows v7.x よりも前のバージョンから SIOS Protection Suite for Windows v8x にアップグレードする場合は、古いバージョンの LifeKeeper をアンインストールしてから SIOS Protection Suite for Windows v8.x を再インストールしてください。
Microsoft Cluster Services (Windows 2003) または Windows Server Failover Cluster (Windows 2008 以降) を使用したクラスタで SIOS Protection Suite は動作しますか。
SIOS Protection Suite v8.0.1 は、別のクラスタリング製品で、Microsoft Cluster Services と Windows Server Failover Cluster のどちらもサポートしていません。
SIOS Protection Suite では、クラスタ内のすべてのサーバの設定が同一でなければなりませんか。
いいえ。すべてのサーバが、フェイルオーバ操作後にアプリケーションを実行できるだけの処理能力があり、SIOS Protection Suite に関するそれ以外の要件をすべて満たしていれば、クラスタを構築できます。SIOS Protection Suite は、同一のハードウェアを必要としませんが、ソフトウェアについては同一のものを必要とし、同一のサービスパックで設定する必要があります。
SIOS Protection Suite for Windows は 64 ビット環境に対応していますか。
はい。SIOS Protection Suite for Windows は 64 ビットプラットフォームにのみ対応しています。
SIOS Protection Suite によって保護されているファイル共有リソースに対する権限はどのようにして変更するのですか。
EditFileShareResource ユーティリティを使用して、ファイル共有リソースを、関連するボリュームに対する現在のファイル共有および権限とともに更新することができます。このユーティリティは、ファイル共有の数が多い環境や、リソースを作成した後や権限を変更した後にファイル共有が追加または削除された環境で便利です。このユーティリティを使用すると、ファイル共有リソースを削除して再作成する必要がなくなります。 EditFileShareResource ユーティリティは %LKROOT%\bin ディレクトリにあります。
ユーティリティを起動するには、コマンドラインから次のように入力します。
EditFileShareResource <Tag name>
< Tag name > は、現在サービス中のファイル共有リソースのタグ名です。
このユーティリティは、ファイル共有階層に関連付けたボリュームに定義されている該当の すべて のファイル共有を保護します。また、すでにシステムから削除された古い保護対象ファイル共有を削除し、所定の基準に従って、新たに定義したファイル共有をファイル共有リストに追加します。ファイル共有に定義されているファイル共有権限も更新します。
ドキュメント
SIOS Protection Suite for Windows のインストール、設定、管理、およびトラブルシューティングについて詳細に説明した関連ドキュメントは、SIOS Protection Suite テクニカルドキュメンテーション で参照できます。SIOS Protection Suite for Windows のあらゆる側面について、以下のセクションで説明しています。
セクション | 説明 |
---|---|
はじめに | SIOS Protection Suite for Windows 製品について、そのコンポーネントの概要を含めて説明します。 |
インストール | SIOS Protection Suite 環境のプランニングとセットアップ、SIOS Protection Suite のインストールとライセンスおよびリモートシステムで実行するための LifeKeeper GUI の設定方法について説明しています。 |
設定 | クラスタ内の各サーバで SIOS Protection Suite ソフトウェアを設定するための詳細情報が記載されています。 |
管理 | サーバを対象とする作業 (サーバプロパティの編集、リソースの作成、コミュニケーションパスの作成と削除など) とリソースを対象とする作業 (リソースの編集、拡張、削除) について説明しています。 |
マニュアルページ | SIOS Protection Suite 製品のリファレンスマニュアルページです。 |
ユーザガイド | LifeKeeper GUI で実行できる操作など、LifeKeeper GUI の詳細情報が記載されています。データレプリケーションなどの詳細項目もあります。 |
DataKeeper | DataKeeper のレプリケーション動作概要および DataKeeper の設定、管理に関する詳しい情報が記載されています。本トピックスには DataKeeper をインストールおよび設定するにあたって必要なネットワークに関する考慮事項、共通の設定事項や要件などが含まれています。 |
トラブルシューティング | SIOS Protection Suite for Windows のインストール時、設定時、または使用時に発生する可能性がある既知の問題について説明し、解決策を提示しています。 |
リカバリキット | LifeKeeper で特定のアプリケーションを管理できるようにするためのオプションのリカバリキット (SQL Server および Oracle) に関するプランニングとインストールの手順、管理、設定、ユーザ情報が記載されています。 |
クイックスタートガイド
SIOS Protection Suite for Windows を利用するにあたって、SIOS Protection Suite for Windows クイックスタートガイド および DataKeeper クイックスタートガイド を参照してください。
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