DataKeeper ボリュームクラスタリソースは、ディザスタリカバリ目的のために DR ノードに拡張できます。クラスタ内でシステム全体の完全な失敗が生じた場合、データは DR ノード(「DR ノード」として参照されます)上でアクセスが可能となります。このトピックでは、この構成のセットアップ方法、DR ノード上のデータへのアクセス方法、およびノードがリストアされた後、クラスタ内のサービスにデータを戻す方法について説明します。
構成タスク
非クラスタ化 DataKeeper ターゲットノードを構成する
DR ノードの構成(推奨)
- 可能であれば、DR ノードは、クラスタ化されたノードと同じドメインのメンバーである必要があります。DataKeeper サービスアカウントの設定については DataKeeper サービスログオン ID とパスワードの選択 を参照してください。
- ファイアウォール(DR またはクラスタサイトの Windows ならびに他のどのファイアウォールデバイス/ソフトウェアも)はすべてのクラスタノードから DR ノード上の DataKeeper 固有のポートへのアクセスを許可しなければなりません。逆も同様です。詳しくは ファイアウォール設定 を参照してください。
- DR ノードに拡張しようとしている各クラスタ化された DataKeeper ボリューム用に DR ノードのボリュームを構成してください。ボリュームは、クラスタ化されたボリュームと同等以上のサイズである必要があります。
シナリオ1 – 既存の DataKeeper ボリュームリソースの拡張
クラスタ内に DataKeeper ボリュームリソースを設定したら、次の手順に従ってこれらのボリュームを DataKeeper MMC GUI を用いて DR ノードに拡張できます。
- [操作/サーバーへ接続] オプションを使ってDataKeeper GUI を DR ノードに接続します。
- DataKeeper ボリュームリソースがオンラインのクラスタノードに DataKeeper GUI を接続します。
- DR ノードに拡張する各 DataKeeper ボリュームに対して次の手順を行います。
a. [ジョブ] ビューで、拡張するボリュームが含まれるジョブを選択します。
b. [ミラーを作成]を選択します。
c. ミラーソースノード、ボリューム、およびソース IP アドレスを選択します。
d. ターゲットの DR ノードをボリュームと IP アドレスと共に選択します。
e. .ミラーパラメータを選択して [OK] をクリックし、ミラーを作成します。
f. 必要とされる追加のミラー情報を設定する。
さらに詳しい情報は、複数ターゲットとのミラーの作成 を参照してください。
シナリオ2 - 新規の DataKeeper ボリュームリソースの作成と DR ノードへの拡張
DR ノードへ拡張したいボリュームを表す DataKeeper ボリュームリソースがクラスタ内に無い場合、まずクラスタ化されたリソースを作成し、上記「シナリオ 1」の手順に沿ってリソースを DR ノードに拡張します。
シナリオ3 - DataKeeper を使って従来の共有ボリュームクラスタを DR ノードに拡張する
詳しい手順は DataKeeperを使用して従来の2ノードWSFCクラスタを3つ目のノードに拡張する を参照してください。共有ボリューム Microsoft クラスタボリュームを他のクラスタノードに拡張する方法が記載されています。
この場合、非クラスタ化されたノードへの拡張となるため、上記 URL に記載されている手順 2「クラスタクォーラムを設定します」と手順 7 「クラスタに 3 つ目のノードを追加します」は不要です。クラスタ化されたノードへの拡張の場合、これらの手順は必要です。
サマリーの構成
クラスタ化されたボリュームを DR ノードに拡張した後、クラスタ内でボリュームをオンラインおよびオフラインにすることができます。DR ノードは正常な操作状況下でミラー対象を残します。
非ミラー化システムで対象が DR ノードのミラーに対して、[ミラーの一時停止/ロック解除] オプションを使用してデータをチェックできます。詳しくは、 一時停止およびロック解除 を参照してください。
非クラスタ化されたディザスタリカバリノード上のデータにアクセスする
クラスタ化されたノードのすべてが利用できない(おそらくプライマリクラスタサイトで何らかの災害による)場合には、DR ノードにレプリケートされたデータにアクセス可能である必要があるかもしれません。その手順を下記に示します。
注記: ミラーのスイッチオーバ ガイドラインを参照してください。
オプション1 – DataKeeper GUI を使用する手順
- DataKeeper GUI を起動し、DR ノードに接続する。
- DR ノード上でアクセス可能になるミラーを含むジョブを選択する。
- DR ノートをミラーソースにする [ミラーのスイッチオーバー] を選択し、ノード上でデータをアクセス可能にする。
オプション 2 - EMCMD を使う手順
DR ノード上でコマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを実行する。
- cd ExtMirrBase
- EMCmd . switchovervolume
DR ノード上でアクセスが必要なボリュームすべてに対して上記の操作を繰り返し行います。DataKeeper は、ボリュームがこのノードでアクセス可能な間は、発生するすべての変更をトラッキングし、バックアップが行われ DR ノードからアクセス可能な場合、クラスタノードに対しこれらの変更を自動的に再同期させます。しかし、ボリュームリソースはクラスタで自動的にオンラインになりません。DataKeeper ボリュームをクラスタに戻すには 下記の手順を手動で行う必要があります。
クラスタにデータアクセスをリストアする
クラスタノードが失敗の後にバックアップされた場合、故障が発生したその時の状況、現在のネットワーク状況、およびクラスタ内の他のノードの状況などによって、ミラーの状態はいくつかに分けられます。ボリュームは、すべてのクラスタノードがリストアされた後ソースかターゲットに存在します。もしくはどちらにもない場合があります。このような場合、DataKeeper GUI を使っていずれかのクラスタノードでミラーロールを決定し、起こり得るスプリットブレインを解決する必要があります。詳しくは、 スプリットブレインに関する事象およびリカバリ を参照してください。スプリットブレインを解決する場合、ソースを保持するノードとなるDRノードを選択する必要があります。最新のデータが含まれているためです。
DRノードがクラスタノードからアクセス可能であり、非クラスタノードのミラーのロールがソースである限り、クラスタノード上のオンラインリクエストは失敗します。
クラスタ化された DataKeeper ボリュームリソースをオンラインに戻す手順
DataKeeperボリュームリソースをクラスタノードでオンラインにするには、そのボリュームが停止する直前に、最後にオンラインであったクラスターノード(そのミラーボリュームにおいて最後にソースステータスを持っていたノード)にミラーをスイッチオーバーする必要があります。また、DR ノードをクラスタ化されたボリュームのターゲットとします。この時 DataKeeper ボリュームリソースはクラスタノードでオンラインになります。
どのクラスタノードが、特定のボリュームに対して最後のソースノードであるかを決定するには、以下のコマンドのいずれかを、クラスタノードで実行してください。
- (to use cluster.exe) - cluster res "<DataKeeper Volume Resource name>" -priv
- (to use powershell) - get-clusterresource -Name "<DataKeeper Volume Resource name>" | get-clusterparameter
生成される出力には、リストされた「最後のソース」値の行が含まれている必要があります。最後のソースノード名は、その行に表示されます。
次の手順に沿ってリソースをオンラインにします。
- クラスタ内ですでにオンラインの DataKeeper ボリュームリソースがある場合、オフラインにします。これは以降の手順でスプリットブレインを解決するために必要です。
- 1 つのクラスタノードで DataKeeper GUI を起動します。DR ノードをミラーソースとして選択し、スプリットブレイン状況を解決します。
- DR ノード (ミラーソース) からクラスタノード (ターゲット) に作成されたミラーの状況をモニタします。クラスタ化されたノードが共有されている場合は、1 つだけがミラーターゲットとなります。
- 最後のソースクラスタノードへのミラーがミラーリングの状態になった時、そのノードをソースにすることが可能です。
a. クラスタノード上でコマンドプロンプトを開きます。
b. 次のコマンドを実行します。 cd ExtMirrBase
c. 次のコマンドを実行します。 EMCmd . SWITCHOVERVOLUME
以上の手順を各ボリュームに対して繰り返し行います。複数のボリュームが同じリソースグループの一部である場合は、それらの最後のソースノードに各ボリュームをスイッチオーバするようにしてください。
次にフェイルオーバクラスタマネージャを使って、ボリュームと関連するアプリケーションまたはロールをオンラインにします。
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