ボリュームミラーが作成され、プライマリサーバとセカンダリサーバの 2 つのドライブが同期されると、次のイベントが発生します。
- システムがすべてのユーザのターゲットボリュームへのアクセスをロックします。ターゲットボリュームへの読み込みおよび書き込みは拒否されます。ソースボリュームは書き込みおよび読み込み可能です。
- プライマリサーバのドライバへのミラーボリュームおよび非ミラーボリュームの読み込み操作は、割り込みせずに通過し通常通りに完了します。セカンダリシステム上のミラーボリュームの読み込み操作は許可されません。すなわち、セカンダリは障害の発生したプライマリの役割を引き継ぎません。
- プライマリサーバが書き込み要求を受けると、まず最初にシステムがミラーボリュームに対するものかどうかを判断します。ミラーボリュームに対するものでない場合、書き込みはそれ以上割り込みされず、通常通りに完了します。書き込み要求がミラーリングされたボリュームに対するものである場合は、書き込み要求はミラーリングの種類に応じて処理されます。
- ミラーリングの種類が 同期 の場合、書き込み要求はターゲットに送信するためにミラーの書き込みキューに置かれ、同時にローカルのソースボリュームに送られます。ソースディスクの書き込みが完了し、 かつ ターゲットから(成功または失敗の)通知を受けるまで、書き込みを発行したプロセスに対して書き込み処理は完了したと認識されません。ネットワーク転送時またはターゲットシステムの書き込み実行時にエラーが発生した場合、ターゲット側での書き込み処理は中断し、ミラーの状態は 一時停止 に変更されます。ターゲットの書き込みの状態に関係なく、ソースボリュームは書き込みを完了します。
- ミラーリングの種類が 非同期 の場合、プライマリ側のソースボリュームに対する書き込み要求が実行され、書き込みのコピーが非同期書き込みキューに格納されて、呼び出し元に制御が返されます。キュー内の書き込みはターゲットボリュームに送られます。セカンダリ側のターゲットボリュームに対する書き込み要求が実行されて、書き込みの状況がプライマリ側に返されます。ネットワーク転送時またはセカンダリ側でのミラーボリューム書き込み時にエラーが発生した場合、セカンダリ側の書き込み処理は中断します。ここで、ミラーの状態が ミラーリング から 一時停止 に変更されます。
システム運用を確実にするために、SIOS DataKeeper は次のような場合にミラーの一時停止と自動再開 (すなわち、部分的な再同期) を行います。
- 短期間でのボリュームへの大量の書き込み(例:データベースの作成時など)によりミラーの BlockWritesOnLimitReached 設定が 0 で、ミラー書き込みキューの長さが WriteQueueHighWater の上限値に達するか、キューのバイト数が WriteQueueByteLimitMB の上限値に達した場合。ユーザは SIOS DataKeeper パフォーマンスモニタカウンタを使用してミラーリング処理を監視し、必要に応じて WriteQueueHighWater を調整することができます。詳細は、レジストリエントリ を参照してください。
- ターゲットシステムへの書き込みの転送がタイムアウトした場合や、リソース不足のために失敗したとき (例えば、短時間の大量書き込みや、ネットワーク転送により、ソースシステムがリソース不足になった場合)。
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